空間的に近距離(6Å)以下にある水素核(1H)間では双極子相互作用により交差緩和現象によるNMRシグナルの増減(NOE)が観察される.また,NOEの大きさは水素核間の距離に反比例(r6)する性質があるために,NOESYと呼ばれる特殊なNMR測定法により一挙にすべての水素原子間のNOEを検出し,それらを空間距離制限としてタンパク質の立体構造を決定することができる.