インスリン抵抗性という用語は1970年にBersonとYalowにより“細胞,臓器,個体レベルでインスリンの諸作用を得るのに通常の量以上のインスリンを必要とする状態”と定義された.肥満においては,肥大した脂肪細胞から分泌されるインスリン感受性ホルモンであるアディポネクチンの低下とインスリン抵抗性を惹起する悪玉アディポカインの増加が相まって,骨格筋・肝臓でインスリン抵抗性が惹起される.