グリンパティック系
ぐりんぱてぃっくけい
グリア細胞(主にアストロサイト)の働きにより,CSFが血管周囲腔から脳実質へ入り,間質液と混和しつつ可溶性代謝産物や抗原を脳深部から髄膜境界へと運ぶ,リンパ管様の搬送経路を指す.リンパ機能に類似するが,脳実質内に古典的リンパ管が存在するわけではない点に注意が必要である.硬膜リンパ管まで運ばれた物質は深頸リンパ節へ排出され,結果としてCNS由来自己抗原の末梢での提示を通じて免疫監視に関与すると考えられる.なお,グリンパティック系そのものを通って免疫細胞が移動するかについては直接的な証拠は不十分である.(実験医学2025年11月号より)
脳脊髄液の免疫細胞と視神経脊髄炎スペクトラム障害実験医学2025年11月号解説は発行当時の掲載内容に基づくものです
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