カラー写真で一目でわかる 肺外科手術の麻酔〜ダブルルーメンチューブ、気管支ブロッカーによる一側肺換気の基本とコツ
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カラー写真で一目でわかる

肺外科手術の麻酔

ダブルルーメンチューブ、気管支ブロッカーによる一側肺換気の基本とコツ

  • 佐多竹良/編
  • 2013年05月24日発行
  • A4判
  • 247ページ
  • ISBN 978-4-7581-1108-9
  • 定価:8,250円(本体7,500円+税)
  • 在庫:あり
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今までなかった,一側肺換気の実践テキスト.挿管チューブの選び方,手技のコツ,呼吸生理に基づく周術期管理など,押さえておくべき重要ポイントを写真とイラストでビジュアルに解説!明日の手術にすぐ役立つ!

目次

序章 肺外科手術の麻酔とは

1 その特殊性・一側肺換気について【青山和義/佐多竹良】

  • 肺外科の手術
  • 手術対象となる肺はvital organ
  • 手術側肺が膨らむと,肺門部の観察・操作が困難
  • ダブルルーメンチューブ(DLT)や気管支ブロッカー(BB)の使用
  • 上側肺の虚脱のために一側肺換気(OLV)を行う
  • OLV中はシャントが起こる→低酸素血症との戦い
  • 肺門部操作中は,細心の麻酔管理を
  • 術後は胸腔ドレーンが留置される.手術直後の合併症には要注意!

第1章 肺外科手術の麻酔のための基礎知識

1 呼吸器の解剖【佐多竹良】

  • 気 道
  • 縦 隔
  • 呼吸筋
  • 肺循環

2 呼吸生理学【佐多竹良】

  • 体位と麻酔,筋弛緩の横隔膜に及ぼす影響
  • 開胸時には自発呼吸があっても人工呼吸が必要
  • 側臥位時の換気分布
  • 肺血流分布
  • 換気と血流の均衡
  • 側臥位での換気と血流の均衡
  • 側臥位と開胸時の生理のまとめ

3 一側肺換気の生理学【佐多竹良】

  • 両側肺換気と一側肺換気時の酸素化と二酸化炭素排泄:一側肺換気では肺酸素化能低下
  • OLV時の血流分布

第2章 肺外科手術患者の術前評価

1 胸部腫瘍と外科的適応【竹中伊知郎】

  • はじめに
  • 原発性肺癌:各組織型の特徴を理解する
  • カルチノイド腫瘍
  • 胸膜腫瘍

2 機能的適応【竹中伊知郎】

  • 呼吸動態の評価:肺胞への酸素の取り込みを1秒量でチェック
  • 肺実質機能の評価:肺胞でのガス交換は,肺拡散能で評価する
  • 右心予備能の評価:運動負荷中の最大酸素消費量で評価
  • 分離肺機能検査:術後に近い状態をつくり出せるが…

3 その他の麻酔科的評価【竹中伊知郎】

  • マスク換気困難:開放気道の存在に注意
  • 気管挿管困難:ダブルルーメンチューブによる気管挿管は困難?
  • 気管支挿管困難:気管挿管困難予測とは内容が異なるので注意!
  • OLV中のSpO2低下:肺外科手術の麻酔中,最大の問題を予測する
  • 特殊な手術:気管および気管分岐部形成術は,特別な評価が必要

4 術前合併症と術前管理【竹中伊知郎】

  • 心血管系疾患:肺外科手術後,第2の問題は循環器系合併症
  • 高齢:高齢であっても手術非適応ではないが,リスクは高い
  • 腎機能不全:肺外科手術に特有とはいえないが十分な注意が必要
  • 慢性閉塞性肺疾患(COPD):肺外科手術患者に多い術前合併症で,周術期管理には病態生理の理解が必要

第3章 必要器具とその準備

1 ダブルルーメンチューブ(DLT)・総論【青山和義】

  • 基本構造:気管チューブと気管支チューブ,左用と右用
  • 気管カフと気管支カフにより分離肺換気ができる
  • アダプタ(コネクタ)のクランプにより一側肺換気を行う
  • 左用・右用の選択:多くの場合,左用を使用する
  • DLTのサイズ選択
  • DLTの適切な位置:確実に理解しておこう
  • DLT使用による合併症
  • DLTの準備
  • 日本で利用可能なDLTの種類

2 ダブルルーメンチューブ(DLT)・各論【青山和義】

  • §1 ブロンコ・キャスTM気管支内チューブ
  • §2 ポーテックス・ブルーライン気管支内チューブ
  • §3-1 ブロンコポート気管支チューブ
  • §3-2 トラキオポート気管切開チューブ(左用)
  • §4 シェリダン気管内チューブ シェリブロンコ
  • §5 ファイコン ダブルルーメン気管内チューブ
  • §6 クリニー ダブルルーメン気管内チューブ
  • §7 ブロンコ・キャスTM気管支内チューブCPAPシステム

3 気管支ブロッカー(BB)・総論【青山和義】

  • 気管支ブロッカー(BB)の原理:BBとは? 一側肺をカフ(バルーン)によりブロック
  • BBの適応,利点と欠点:DLTと比較して
  • BBの種類:一体型と独立型
  • 独立型BBの基本構造
  • BBの適合とサイズ選択
  • BBの準備
  • 使用方法(挿入方法,誘導方法)
  • 合併症とその対応

4 気管支ブロッカー(BB)・各論【青山和義】

  • §1 ユニベント気管内チューブ
  • §2 ファイコンTCB気管支ブロッカー
  • §3 クーデック気管支ブロッカーチューブ
  • §4 アーント気管支ブロッカーバルーンカテーテルセット

5 気管支ファイバースコープとその他の器具【青山和義】

  • 気管支ファイバースコープの構造
  • ファイバースコープの種類
  • ファイバースコープのサイズとDLTサイズ
  • ファイバースコープの操作
  • 術前のファイバースコープとその他の器具の準備

第4章 肺外科手術の麻酔管理の実践

1 肺外科手術の麻酔の流れ【青山和義/佐多竹良】

2 術中モニタリング:モニター装着と静脈ラインの確保【堀下貴文】

  • 手術室入室,患者確認
  • 入室時の標準的モニター装着
  • 静脈ラインの確保
  • 麻酔導入前後のモニター装着
  • 麻酔導入後のモニタリング開始
  • その他の観血的モニタリング

3 硬膜外麻酔・硬膜外チュービング【堀下貴文】

  • 硬膜外麻酔の適応と禁忌,硬膜外穿刺,硬膜外チューブ挿入部位
  • 穿刺準備
  • 硬膜外穿刺(傍正中法)
  • 硬膜外チュービング
  • 持続硬膜外麻酔の実際
  • 持続硬膜外鎮痛の実際

4 麻酔導入・麻酔維持(麻酔法,麻酔薬)【南立宏一郎】

  • 肺外科手術の麻酔管理の目標
  • 全身麻酔の導入:プロポフォールとオピオイドを使用した急速導入を行う
  • DLTの気管挿管時は,十分な筋弛緩を得る
  • 麻酔維持:吸入麻酔,静脈麻酔,硬膜外麻酔
  • 筋弛緩
  • 麻酔法・麻酔薬がHPVに与える影響

5 ダブルルーメンチューブの挿入と位置の確認【川崎貴士】

  • ダブルルーメンチューブ(DLT)の気管・気管支内挿管
  • DLTの適切な位置とファイバースコープによる確認
  • 聴診法による位置確認:4段階聴診法
  • 左用DLTの挿入長(深さ)
  • 左用DLTの位置異常の診断とその対処
  • DLTの固定,胃管の挿入
  • 右用DLT
  • 気管切開孔用DLTの挿入と位置確認

6 ユニベント気管内チューブ,気管支ブロッカーの挿入と位置の確認【川崎貴士】

  • ユニベントチューブの使用方法
  • 独立型BB(ファイコン社製,クーデック社製)の使用方法
  • アーント気管支ブロッカー(クック社製)の使用方法
  • BBの位置異常の診断とその対処

7 両側肺換気による人工呼吸開始と動脈ラインの挿入【川崎貴士】

  • 両側肺換気による人工呼吸開始
  • 動脈ラインの挿入:肺外科手術の麻酔では,ほぼ必須!

8 側臥位への体位変換【川崎貴士】

  • 側臥位へ
  • 側臥位の注意点
  • 側臥位後のチューブ位置確認と再調節

9 一側肺換気の開始【原 幸治】

  • 手術開始:タイムアウトによる確認を行う
  • OLV開始のタイミング
  • 吸入酸素濃度(FiO2)=1.0へ
  • 気管支カフへの空気注入
  • いよいよOLV開始:クランプ用鉗子を用いてクランプ,脱気用ポートの開放
  • 上側肺の虚脱の確認:OLVの成功を確認する
  • 気管支ブロッカー(BB)によるOLVの開始
  • OLV時の低酸素血症:低酸素血症を予防する呼吸管理が必要

10 一側肺換気中の人工呼吸管理:保護的一側肺換気【原 幸治】

  • 開胸術後急性肺障害と保護的OLV
  • 保護的OLV中の呼吸管理の目標・ゴールとは?
  • OLV中の人工呼吸管理の実際:保護的OLVの施行例
  • OLV中の人工呼吸管理に考慮すべき因子

11 一側肺換気中の低酸素血症への対策【岡野龍介】

  • OLV中の動脈血酸素分圧(PaO2)はどう推移するのか
  • OLV中の酸素化障害や低酸素血症はなぜ起きる? PaO2に影響を与える生理学的因子
  • 低酸素血症時の対策

12 輸液・輸血管理【岡野龍介】

  • 肺組織の浮腫を起こさない輸液を心がける
  • 輸液は晶質液が基本だが膠質液も効果はある
  • 輸血は「重要臓器への酸素運搬能を維持する」という視点で

13 術中のその他の処置【青山和義】

  • 気管支内の血液,分泌物の吸引
  • 手術操作による低血圧,不整脈に注意する
  • 気管支閉鎖時の確認
  • water sealing test
  • 胸腔ドレーンの留置,閉胸~手術終了まで.OLVを終了し両側肺換気へ

14 麻酔からの覚醒と抜管【岡野龍介】

  • 抜管前の患者の状態を評価する
  • DLTの抜管,抜管後のチェック
  • 抜管を延期して術後人工呼吸管理を行う場合

15 麻酔中の合併症と対策【原 幸治】

  • ダブルルーメンチューブ(DLT)挿入による外傷
  • 低酸素血症
  • 高二酸化炭素血症
  • 低血圧,高血圧
  • 心筋虚血
  • 不整脈
  • 気管支攣縮
  • 神経損傷

第5章 肺外科手術患者の術後管理

1 術後の合併症【蒲地正幸】

  • 出 血
  • 呼吸不全
  • 心臓ヘルニア
  • 肺捻転
  • 気管支断端離開

2 ドレーン管理【蒲地正幸】

  • 胸腔ドレナージシステムの構造と原理
  • ウォーターシールか吸引か?
  • ドレーンからの排液やエアリークが急に止まったら

3 術後の呼吸管理【蒲地正幸】

  • 酸素療法
  • 術後人工呼吸管理
  • 再挿管

4 術後疼痛管理【蒲地正幸】

  • 持続硬膜外ブロック
  • 硬膜外ブロック以外の区域麻酔
  • 麻薬系鎮痛薬とNSAIDs
  • 自己調節鎮痛法(PCA)

第6章 肺外科の主な手術方法

1 総 論【岡 壮一/田中文啓】

  • はじめに
  • 胸腔内への到達法
  • 肺切除術式

2 肺葉切除術【岡 壮一/田中文啓】

  • 適 応
  • 手術手順
  • 外科的注意点
  • 麻酔科医への要望

3 一側肺全摘術【岡 壮一/田中文啓】

  • 適 応
  • 手術手順
  • 外科的注意点
  • 麻酔科医への要望

4 胸腔鏡下ブラ切除術【岡 壮一/田中文啓】

  • 適 応
  • 手術手順
  • 外科的注意点
  • 麻酔科医への要望

5 気管支形成術【岡 壮一/田中文啓】

  • 適 応
  • 手術手技
  • 外科的注意点と麻酔科医への要望

6 気管切除・気管分岐部形成術【岡 壮一/田中文啓】

  • 適 応
  • 手術手技
  • 麻酔科医への要望

『5 ダブルルーメンチューブの挿入と位置の確認』より抜粋

肺外科手術の麻酔 立ち読み1 肺外科手術の麻酔 立ち読み2 肺外科手術の麻酔 立ち読み3 肺外科手術の麻酔 立ち読み4

-後略-

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