レジデントノート:小児科研修のエッセンスがまるごとわかる〜乳児の診察・薬の使い方から主要な症候の診かた、保護者対応まで救急や日常診療で役立つ基本を身につけよう!
レジデントノート 2022年1月号 Vol.23 No.15

小児科研修のエッセンスがまるごとわかる

乳児の診察・薬の使い方から主要な症候の診かた、保護者対応まで救急や日常診療で役立つ基本を身につけよう!

  • 西﨑直人/編
  • 2021年12月10日発行
  • B5判
  • 154ページ
  • ISBN 978-4-7581-1673-2
  • 定価:2,200円(本体2,000円+税)
  • 在庫:あり
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特集にあたって

特集にあたって

西﨑直人
(順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科 准教授/臨床研修センター 副センター長)

小児科医にとっての「3Y」,小児科の未来

ご存じのように2020年度の初期臨床研修制度の見直しによって,内科・外科・小児科・産婦人科・精神科・救急・地域医療の7つの診療科が再び必修分野となりました.つまり,皆さんの興味の有無とは関係なく,2年間の初期臨床研修中に必ず小児科もローテーションしなければならなくなったわけです.せっかく研修するからには楽しく小児科を学んでもらい,小児科を好きになってもらいたい,というのが私たち指導医の切なる願いです.

小児科では,生まれたての新生児からときに大人顔負けの体格の高校生までを診療対象とするため,たくさんの疾患の特徴や病態生理を理解しなければなりません.また,手間のかかる検査や手技も多いですし,患者さん以外に保護者にも対応しなければならないといったたいへんさもあります.加えて成人とは違い,うまく症状を表現できない子ども達に対しては,細心の観察眼をもって緊急性のある疾患を見逃さないようにする緊張感も伴います.さらには未来ある子ども達に万が一,不利益を被らせてしまうことがあれば,医療訴訟になってしまう恐れもゼロではありません.かつて小児科は,医師数不足や激務が社会的に問題視され,「3K(きつい,危険,給料が安い)」とよばれた時代がありました.実際,私も小児科医になりたての頃は,重症患者さんがいれば連直(連続して当直すること,いまや死語でしょうか!?)し,休日であっても「病棟から呼び出されるかもしれない…」と緊張した日々を過ごしていました.

しかし現在は,医師の働き方改革やワークシェアリングの普及により,きちんとした労務環境が提供されるようになりました.また2019年に施行された「成育基本法(成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対し必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律)」1)により,子ども達をとり巻く環境も大きく変化しています.さらには近年,「こども庁」創設に関する議論もはじまっており,国全体として子ども達を重視していくという潮流がさらに高まりつつあります.これらに伴い今後,小児科医の活躍の場もますます広がっていくのかもしれません.

以上のような昨今のトレンドから考えても,小児科医および小児科をとり巻く環境は決して3Kではなく,むしろ「3Y(夢,喜び,やりがい)」2)と「明るい未来」に溢れていると思います.「少子化だから小児科医は不要」という単純な発想ではなく,日本の将来のために社会全体で子ども達を育んでいくためには,まさしく小児科医が先頭に立って牽引していく必要があるのではないでしょうか.

私の考える小児科研修のエッセンス

私が小児科の研修中に絶対に学んでもらいたいと思っている“一丁目一番地”に該当する医療は「新生児蘇生」です.母体と児を繋いでいる臍帯が切られた瞬間から胎児は新生児となり,ヒトとしての人生がはじまります.その一番はじめの小児医療に触れてもらいたい,というのが“ねらい”であり,研修中にぜひ経験してもらいたいエッセンスの1つでもあります.周産期センターを配備する私たちの施設では,小児科をローテーション中の研修医の先生方には,積極的に新生児蘇生に参加してもらうように工夫しています.また希望する先生には学会公認の新生児蘇生法(neonatal cardiopulmonary resuscitation:NCPR)講習会を受講してもらい,こちらもたいへん好評です().

このほかにも小児科診療の現場には,たくさんのエッセンスがあります.代表的なものには,新生児や小児の基本的診察技法,薬の使い方,小児輸液,小児への血液検査や尿検査,commonな症候(発熱・腹痛・咳嗽・けいれん・発疹など)に対する初期対応などがあり,どれもたいへん重要なエッセンスです.そこで本特集では,これら小児科研修中に知ってもらいたいエッセンスを各分野の第一線でご活躍の執筆者の先生方に“研修医の目線”に立って解説していただきました.執筆をお願いした先生方は,私が実際に実臨床や学会等でご一緒させていただいた豊かな知識・技術・経験に溢れる心温かい小児科医ばかりです.素晴らしいコンテンツはきっと研修医の皆さんの心に響くことでしょう.

冒頭に申し上げた通り,小児科は「3Y」に象徴されるたいへん魅力的な診療科です.逆説的ではありますが,わが国の少子社会が進めば進むほど,貴重な子ども達の健康管理を担う小児科医の活躍の場はますます増えると思います.本特集号で小児科研修のエッセンスを学んでいただき,読者である研修医の皆さまが少しでも小児科を好きになってくれたら,本企画の目的は叶ったのだと思います.

末筆にはなりましたが,本特集の企画をしてくださいました羊土社編集部のレジデントノート担当の皆さん,またご多忙の折に執筆をご快諾いただきました心温かい先生方各位にこの場をお借りして,改めまして深く御礼申し上げます.

文献

著者プロフィール

西﨑直人(Naoto Nishizaki)
順天堂大学医学部附属浦安病院 小児科 准教授/臨床研修センター 副センター長
2002年3月,順天堂大学医学部卒.現所属で小児科准教授,臨床研修センター副センター長,および地域周産期母子医療センター副センター長を兼任し,研修医の皆さんと楽しく仕事中.
座右の銘は「小さなことに魂は宿る」.先輩から教わった教訓は「迷ったら,面倒くさい方をやれ」.なお,私たち順天堂大学小児科医局では,一緒に働いていただける後期研修医の皆さまを絶賛募集中です!
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/clinic/shonika/[専門医・指導医] ・小児科専門医・指導医 (日本小児科学会)
・周産期[新生児]専門医・代表指導医(日本周産期・新生児医学会)
・腎臓専門医(日本腎臓学会)
・臨床遺伝専門医(日本人類遺伝学会)

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