レジデントノート:胸部X線 自信を持って読めますか?〜AI時代だからこそ大切な、一生ものの読影力
レジデントノート 2026年6月号 Vol.28 No.4

胸部X線 自信を持って読めますか?

AI時代だからこそ大切な、一生ものの読影力

  • 田中希宇人/編
  • 2026年05月08日発行
  • B5判
  • 156ページ
  • ISBN 978-4-7581-2752-3
  • 2,750(本体2,500円+税)
  • 在庫:予約受付中

特集にあたって

特集にあたって

AI時代の臨床家としての「眼」を養おう

田中希宇人

 

日常診療のさまざまな場面(外来・救急・病棟)で,胸部X線は1日に何枚も撮影されます.研修医の皆さまにとって,胸部X線写真は最も見慣れた画像であり,日常診療のルーチンの一部になっているかもしれません.しかしその1枚の画像から,どれだけの情報を読みとれているでしょうか.

 

近年,医療現場における画像診断は大きな転換期を迎えています.私の勤務する日本鋼管病院/こうかんクリニックでも2025年度,最新の「胸部X線AI読影システム」を導入しました.AIは瞬時に画像を解析し,結節影や気胸・間質影の可能性を指摘してくれます.見逃しの防止や,ダブルチェックの負担軽減において,AIは非常に強力なパートナーですし,昨今の医師の働き方改革にも一役買ってくれています.

しかしAIが普及すればするほど,私たち医師の「読影力」が不要になるのでしょうか.

AIが提示するのは,あくまで「画像上の確率」に過ぎません.その影が,数日前から続く高熱に伴う肺炎(感染症)なのか,無症状で見つかった肺がん(悪性腫瘍)なのか,あるいは慢性的に経過している間質性肺炎の急性増悪なのか.それを患者さんの主訴や身体所見,血液データと照らし合わせ,最終的な「診断」へと昇華させるのは,今も昔もベッドサイドに立つ臨床医の役割です.

 

今回の特集では,第一線で活躍される呼吸器内科・放射線科・循環器内科の先生方に,研修医が必ずマスターすべき,かつAI時代でも重要となる「読影の真髄」について執筆いただきました.

X線の基本的な読影法,肺炎や抗酸菌感染症の読み方,肺がんやびまん性肺疾患の所見,救急疾患や循環器疾患の画像所見,見逃しやすい胸部疾患など,各領域のスペシャリストが,今日からの実臨床に役立つ知識を惜しみなく注ぎ込んでくださいました.

いまの時代でも日々症例の画像をひたすら見る.どれほどテクノロジーが進歩しても,読影の基礎体力は,数多くの症例に真摯に向き合うことでしか養われません.AIの解析結果を鵜呑みにするのではなく,AIの指摘を「なぜそう判断したのか」と自らの知識で検証できる.そんな「AIを使いこなす臨床医」をめざしてほしいと思っています.

胸部X線は,決して「古い検査」ではありません.むしろAIを上手に活用することによって,より多くの患者さんを救うための「武器」となりえます.本特集が明日からの診療において,目の前の1枚の画像が今までとは違った景色に見える一助となることを切に願っています.

 

Profile
田中希宇人(Kyuto Tanaka)
日本鋼管病院 副院長・呼吸器内科 診療部長・患者サポートセンター長
医学博士・日本呼吸器学会専門医・指導医
2005年 慶應義塾大学医学部卒業.
慶應義塾大学病院・けいゆう病院・川崎市立川崎病院を経て2021年から神奈川県川崎市の日本鋼管病院で勤務.2026年4月から現職.「呼吸器疾患で苦しむ人を1人でも多く救う」ことをビジョンに地域医療に邁進している.ネット上では「キュート先生」の名前で分かりやすい医療情報を多くのプラットフォームで日々配信している.
X(旧Twitter):@cutetanaka
インスタグラム:@cutetanaka

 

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