レジデントノート:入院患者の持参薬ドリル〜慢性疾患治療薬の中止・切り替え・再開の鉄則を各診療科が教えます
レジデントノート 2026年7月号 Vol.28 No.6

入院患者の持参薬ドリル

慢性疾患治療薬の中止・切り替え・再開の鉄則を各診療科が教えます

  • 岩浪 悟,梅田 開/編
  • 2026年06月10日発行
  • B5判
  • 154ページ
  • ISBN 978-4-7581-2754-7
  • 2,750(本体2,500円+税)
  • 在庫:予約受付中

特集にあたって

特集にあたって

入院時,退院時のお薬の処方どうしていますか?

岩浪 悟,梅田 開

 

昨今,医学書の発展は素晴らしく,さまざまなニーズに応えた実践的な良書が多いと感じています.それでも,臨床業務をしていて「こんなこと教科書に載ってない.けど,どう判断すればいいんだろう?」と思うことが多々あります.そこで,今回はそういった悩ましい臨床テーマの1つだと考えていた『入院時における持参薬の中止・切り替え・再開』に関して企画を組ませていただきました.

私が研修医のころ,救急外来で患者さんの緊急入院を内科当直の先輩に依頼する際,先輩がたくさんある持参薬から必要十分量に絞って処方し直し,ときには代替薬に置換しているのをみて「え,これどこで習うの? 自分もこういった先輩になれるかな」と感嘆していました.また,誤嚥リスクやいろいろな状況で内服することができない患者さんに対して,さも「当たり前でしょ?」という顔をして貼付薬を出している姿をみて,「そんなこと国試に出ないじゃん!」「腰痛の湿布薬以外にも貼り薬ってあるんだ! 他にもあるのかな?」など,疑問に思ったのを鮮明に覚えています.

それから時が経ち,教科書や論文,経験,口伝,などのお陰で,今では何とか「持参薬の中止・切り替え・再開」の判断をしているつもりですが,おそらく専門科の先生方からすると,100点満点の判断からはほど遠いのだと思います.

私は現在,病床数700床以上の病院で勤務しています.各専門科の先生方も多くいらっしゃって,ちょっと困ったときは「この薬,継続した方がよいですか?」「この薬,採用薬ないし患者さんの持参薬もないのですが,代わりはどうしたらよいですか?」とコンサルトすることができるため,恵まれているなと感じます.しかし,各専門科が多く当直している病院ばかりではないですし,当直のときなど夜間に「処方薬のことなんかで当直の先生に相談するのは迷惑かな」と憚られる気持ちもあります.正直,今までいろいろな状況で,いまいち確証がないまま処方の判断をすることは少なくなかったです.

今回は,そんな「確証がない」という不安を少しでも初期研修医の先生方から減らしたいという思いから,企画を組ませていただきました.慢性疾患ををおもちの患者さんが入院されたときの持参薬の取り扱いについて,各専門科の視点でわかりやすくご解説いただいています.完成した先生方の原稿を拝読して,過去の自分に読ませたい内容になったと自負しています.

また持参薬は入院時の継続・中止の判断だけでなく,退院後の日常生活にどのようにつなげるか,も同様に大事です.入院したことで廃用が進み,退院時には入院前と状況が変わり,内服薬の変更を強いられることもあります.また,入院自体が常用薬の見直しをするきっかけになることもあります.そのため,退院後の処方継続において,どういったことに気をつけるとよいかも,専門科の先生方の視点から記載いただきました.そういった内容が,非専門科の先生方のお役に立てればと思います.

研修医の先生はもちろん,いろいろな立場の先生から「役に立つな」と感じてもらえればと考え,編集させていただきました.いろいろな観点からの「処方薬の考え方」を楽しんでいただければと思います.

最後になりますが,本特集を組むにあたり,私が研修から今までお世話になっている「東京都立多摩総合医療センター」に縁のある多くの先生にご協力いただきました.長く1つの病院に勤める私にとって,皆様とこのような1つの特集をつくり上げていくことは,過去から現在,そして未来を辿る夢のような時間でした.心より感謝申し上げます.

 

Profile
岩浪 悟(Satoru Iwanami)
東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療科
家庭医療専門医/指導医.総合診療専門医/指導医
東京の総合病院で,救急外来,総合内科の業務をしながら家庭医をしています.総合病院でも,救急外来でも,家庭医療的思考は,患者さんはもちろん,医療者も助けてくれます.「総合診療医が普通にいる世の中」になるといいなと考えています.ぜひ気軽に見学に来てください.

梅田 開(Kai Umeda)
東京都立多摩総合医療センター 救急・総合診療科
幅広い疾患に接する機会に恵まれ,専門科の先生方に助けられながら,救急・病棟と診させていただいております.本特集は実臨床に沿った内容で構成できたかなと思っております.この特集が皆様のお役に少しでも立てば幸いです.

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入院患者の持参薬ドリル

慢性疾患治療薬の中止・切り替え・再開の鉄則を各診療科が教えます

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  • 2,750(本体2,500円+税)
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