2022年8月号掲載・2026年10月14日公開

これは後半規管型のBPPVだ! そう思ったらDix-Hallpike testからEpley法を施行するわけですが,よく研修医から「やってみたのですが上手くいきません」と訴えられます.これは以下の2つが原因と考えていますが,皆さんいかがでしょうか?

① 勢い,角度が足りない

Epley法などの耳石置換療法は的確に行う必要があり,中途半端はいけません.頭をベッドからぐっと落とすわけですが,これくらいの角度がなければ耳石を動かしたい場所へは動かせません.枕を首の下にはさみ角度をつける方法もありますが,経験上は使用せず頭をぐっと落とした方が確実だと思います.また,ゆっくりそろりそろり行うよりも瞬時に施行した方が効果は高いでしょう.耳石が動き出し止まるまでにあまり時間をかけたくありませんからね(動いているときは患者さんも症状が再燃し,つらいはずですから).

② 患者本人への説明不足

耳石置換療法は読んで字のごとく耳石が動くわけですから,施行中に症状を誘発します.安静にしていれば落ち着いている症状を耳石置換療法によって再度引き起こすとなると,患者さんも抵抗があり,拒まれることもあるでしょう.そのため,施行前には,具体的な方法や行う意義を説明し理解してもらう必要があります.

私はYouTubeなどの動画サイトを利用し,実際に施行しているところを共有しながら説明しています.物理的に耳石を元の位置に戻す必要があり,寝ているだけではよくならないこと,特効薬は存在しないことなども併せて説明すると,拒否されることは少ないです.

そもそもBPPVでない患者さんに耳石置換療法をやってはいけませんよ.「当たり前だ!」,って声が聞こえてきそうですが,頭位変換でめまいが生じるから,回転性だからと,Epley法を行っている研修医がいるとかいないとか….めまいのアプローチを頭に入れ対応してくださいね.

参考文献

1)「救急外来 ただいま診断中! 第2版」(坂本 壮/著),中外医学社,2024


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