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- 【問題】息切れを訴える70歳代男性

- 症 例
- :70歳代男性
- 既往歴
- :高血圧あり.軽症の糖尿病
- 喫煙歴
- :若い頃から30~40本/日を喫煙していた.3年前から20本/日に減らし,1カ月前に禁煙した
- 現病歴
- :約1年前から心室性不整脈があるとのことで近医でフォローされていた.また,胸部X線写真で 「全体にもやもやした陰影がある」 と言われていた.約半年前から,坂道や階段の上りなどで少し息切れを感じるようになった.胸部X線像で間質性肺炎と診断されて当科を紹介され受診した
- 身体所見
- :心音異常なし.呼吸音:両側肺底部でファインクラックルを聴取.爪はやや丸いがばち指なし.その他特記すべきことなし
- 検査所見
- :血算,生化学,炎症反応,尿所見などには異常なし.KL-6 715 U/mL(正常値 500 U/mL以下)とやや上昇している
- 肺機能検査
- :肺活量3.23 L (%肺活量96.1%),一秒量2.53 L (%一秒量101.2%),一秒率80.1%,%DLCO 82.4%と,肺機能は保たれていた.血液ガスはpH 7.465,PaO2 81.4 Torr,PaCO2 36.0 Torr,安静時酸素飽和度 (SpO2) は97%と正常だが,6分間歩行試験では90%に低下する

- Q1. 胸部X線写真(図1)の所見は?
- Q2. 間質性肺炎の診断であるが,その原因を探るためには何を行うべきか.
プロフィール
前村 啓太(Keita Maemura)
JR 東京総合病院呼吸器内科
山口 哲生(Tetsuo Yamaguchi)
JR 東京総合病院呼吸器内科