画像診断Q&A

レジデントノート 2025年10月号掲載
発熱2週間後に出現した咳嗽と呼吸困難で紹介となった60歳代男性

症例

症例:
60歳代男性.
主訴:
咳嗽,呼吸困難.
既往症:
15年前に胃がん手術(3/4切除).
併存症:
なし.
常用薬:
なし.
職業:
会社員.
喫煙:
20本/日×30年間.
飲酒:
機会飲酒.
粉塵吸入歴:
なし.
アレルギー歴:
花粉症.
家族歴:
特記すべきことはない.
現病歴:
15年前の胃がん術後から,しばしば食後にむせ込むようになっていた.2週間前の夜に激しくむせ込み,翌日38℃台の発熱が出現した.自宅療養で自然に解熱したが,その後咳嗽と労作時呼吸困難が出現し,改善しないため近医を受診.胸部単純X線で肺炎像を指摘され,当科紹介受診となった.
身体所見:
身長172 cm,体重57 kg,体温37.0℃,心拍数88回/分 整,血圧 150/87 mmHg 左右差はない,呼吸回数20回/分,SpO2 95%(室内気).意識清明.頸静脈拡張なし.胸部;両下肺背側で呼吸音減弱,心雑音なし.腹部;肝・腎・脾を触知しない.表在リンパ節を触知しない.浮腫はない.
神経学的所見:
特に異常を認めない.
血液検査:
WBC 7,970 /μL(好中球80.6%,リンパ球10.8%,好酸球1.9%),Hb 13.2 g/dL,Plt 44.1 万/μL,TP 5.1 g/dL,Alb 2.1 g/dLAST 55 IU/LALT 43 IU/LLD 283 U/L,BUN 17 mg/dL,Cr 1.07 mg/dL,CRP 0.4 mg/dL.
動脈血液ガス分析:
pH 7.445,PaO2 87.7 Torr,PaCO2 37.4 Torr,HCO3 25.1 mEq/L.

Question

  1. Q1:胸部単純X線写真(図1)の所見は?
  2. Q2:診断のためにさらに必要な検査は?

図1 胸部単純X線写真(正面像)

プロフィール

井窪祐美子(Yumiko Ikubo)
JCHO東京山手メディカルセンター 呼吸器内科
徳田 均(Hitoshi Tokuda)
JCHO東京山手メディカルセンター 呼吸器内科
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