[巻頭インタビュー]あの先生に会いたい!番外編1 手技を学ぶことの重要性(今先生)

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レジデントノートインタビューコーナー『あの先生に会いたい!』では,さまざまなフィールドでご活躍中の先生に,医師として歩んでこられた道のりや,現在,そして将来のこと,さらに私生活とのバランスの取り方などについて語っていただきます.また番外編では,本誌に収まりきらなかった内容をホームページ限定で紹介していきます.

番外編5 小さな診療所で研修したからこそ学べたこと

今先生:診療所勤務中,週に1回近くの総合病院に外科の研修に行っていたときのことです.手術室の研修で,そこで私につきあってくれた人は,その病院の2年目で私の1つ下の研修医でした.私は3年目で診療所の医者.同じ病院にいれば恐らく上下関係があったはずなのに,診療所の医者と,総合病院の2年目の研修医というと立場が逆転で,「先生CV入れてみる?」とか言われて「あ,いいんですか?」「いいよやって,今日」「あっ,じゃあやらせていただきます」といった感じで,何か施しを受けているようなそういう気持ちになりました.

 小さな診療所で経験しなければわからないような,大きな病院の医者が何気なく言う言葉,これがグサッときます.「こんなこともやってないの? 心電図見せて,前の!」「前,心電図撮ってないんですよ…」「信じられない! こんな胸の病気がある人に,心電図どうして撮ってないの?」とかそういうことですね.大きな病院では常識かもしれないけど,そういうことを,自分よりも年下の人に平気でグサッと言われると傷つく….そんなことも学ぶことができました.だから,大きな病院で仕事をするとき,特に小さな診療所とか,小さな病院から転送で来る医師に対しては,言葉を使うとき十分気をつけた方が良いということを身につけました.そういうことを教えてくれる大きな病院はありません.

 大きな病院の立派な人は,大抵1度も小さなところに行った経験がありません.小さなところに行ってしまうと,日本の今までの常識では出世できませんから.でも,大抵は「僕は○○センターで○○部長やってきました」「○○医学教室の教授でした」とかそういう人たちがトップに立っているので,なかなか小さな病院のことはわからないものです.パートで手伝いに行ったことがあっても,どっぷりとそこにいたことがないので,やはり住所が村というところに住んだことがあるのとは違います.

 ただそういうことを今の若い人たちに言っても,全員が行けるわけではないので,逆にチャンスがないと思うのですよ.行きたくても行けない.私たちは行きたくなくても行かされ,大きな収穫を得た.だから行った方がいいと思いますが,行けないんですよね.逆にそういう意味で,ちょっとかわいそうです.だから,その代わりに小さな病院,小さな診療所ではないですが,そういうしくみを大きな病院のなかで作ったり,それから,普段から小さな病院,診療所の人と接するときに,何かを敏感に感じたり,そういうことがきっと医者として大きくなったときに役に立つと思います.

高田先生:なるほど.診療所に行って,大病院とは違った視点を得られたというのが,非常に大きなことだったということですね.

Profile

今先生
今 明秀(Akihide Kon)
八戸市立市民病院 救命救急センター
新しい日本型の救急医を育てたい.
東北救急医学会を2009年7月4日八戸市で開催します.みんな来てね.

高田先生
高田忠明(Tadaaki Takada)
八戸市立市民病院 救命救急センター
今先生の発想と決断の速さに驚きの連続です.すべてを吸収し,前進していきたいです.

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