増田亜希子
研修医 臨くん
けんさん先生
パニック値は,1972年にLundbergにより提唱された概念だよ.“生命が危ぶまれるほど危険な状態にあることを示唆する異常値”であり,直ちに治療を開始すれば救命可能だけど,その把握は臨床的な診察だけでは困難であり,検査によってのみ可能とされているんだ1).日本臨床検査医学会の『臨床検査「パニック値」運用に関する提言書』では,“基準範囲から極端に逸脱し,放置されると重大な疾病もしくは病態の存在が見逃され,患者の予後に著しい悪影響を与えるため,担当医への迅速かつ確実な報告が必要となる検査値”と定義されているよ2).