「<i>C. difficile</i>迅速検査結果の解釈はdifficult!!」|臨床検査専門医がコッソリ教える… 検査のTips!

C. difficile迅速検査結果の解釈はdifficult!!

上蓑義典

研修医 臨くん

入院患者さんが下痢を起こしてしまったので,偽膜性腸炎を疑ってCDトキシン検査を提出したら,「トキシン陰性だけれど抗原陽性」と言われたんですよ.
これって偽膜性腸炎と診断して…よいのでしょうか?
なるほど.それはClostridioides difficileが存在している可能性が高いけれど,さらに追加検査をしないと下痢の原因か否かはわからないね.

けんさん先生

解 説

Clostridioides difficile関連下痢症(CDAD)とCDトキシン検査

入院患者に起こる下痢といえば,C. difficileを原因として考えなければいけないよね.
C. difficileはグラム陽性芽胞形成性桿菌で,腸管内で毒素産生することにより下痢症をはじめとした病態を起こすんだ.偽膜性腸炎が有名だけれど,偽膜形成していなくても下痢の原因になることもよくあり,偽膜性腸炎はC. difficile感染症(CDI)の1つの病態と考えた方がいいよ.だからCDIとかC. difficile関連下痢症(CDAD)といった方がより正確だね.

続きを読むには