「高齢者の骨折では,多発性骨髄腫が隠れているかも?」|臨床検査専門医がコッソリ教える… 検査のTips!

高齢者の骨折では,多発性骨髄腫が隠れているかも?

増田亜希子

研修医 臨くん

多発骨折の70歳代男性が受診しました.指導医の先生は血液検査結果を見るなり,「血液内科にコンサルトだ!」と言っています.
先生,検査結果の見方について教えていただけませんでしょうか.
高齢者の骨折では,多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)が隠れていることがあるんだ.画像検査のみでは,MMかどうかはわからない.疑ったら,血液・尿検査を行うのが大事だよ! 今回は,蛋白分画や免疫電気泳動について勉強してみよう.

けんさん先生

解 説

本症例の血液検査所見(

異常所見をあげてみよう.① 軽度の正球性貧血,② 総蛋白高値とアルブミン低値だね.着目すべきは,② 総蛋白高値とアルブミン低値だよ.正常では,血清の蛋白成分の60~70%がアルブミン,約20%がγグロブリンなんだ.総蛋白が高くてアルブミンが低い場合,アルブミン以外の蛋白が増えていることが示唆される.どんな蛋白が増えているのか,蛋白分画で確認してみよう.

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