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2007年1-2月号
> 分子標的薬開発への挑戦
最新号
(12月20日発行)
2007年1-2月号
(Vol.7 No.1)
定価 2,625円(税込)
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分子標的薬開発への挑戦
第6回 立体構造に基盤をおいた創薬研究(1)
・概論 構造解析を用いた創薬開発
安井正人
最近のヒトゲノムプロジェクトの進歩とともに新薬の開発においてもその分子標的に関する情報が飛躍的に増大し,いわゆる「ゲノム創薬」に対する期待が高まってきている.従来の創薬は,どちらかというと偶然性によるところが多く,膨大な時間と労力を費やすことが一般的だった.一方,ゲノム創薬に代表される「創薬科学」においては,より合理的かつ敏速な新薬の開発が期待されている.おそらく今後もより科学的な創薬を追及していく方向で進んでいくことが予想される.今回のテーマである「構造解析を用いた創薬開発」も疾患関連分子の3次元構造と低分子化合物との相互作用,ドッキング検討に基づく創薬であり,まさに創薬科学の中心的な役割を果たしていくことが期待されている.最近の構造生物学の進歩は著しく,多くのタンパク質の立体構造が原子レベルの高分解能で解明されてきている.構造解析の基礎研究から創薬開発への応用が現実になりつつある.
・タンパク質構造と活性化合物評価
福西快文,中村春木
近年,in silicoスクリーニングによる薬物探索の精度は実用レベルに高まりつつあり,また分子動力学計算(MD)による標的タンパク質への薬物の結合自由エネルギー(ΔG)の計算も試みられるようになってきた.われわれは,(1)タンパク質−化合物相互作用行列を作成することで飛躍的にヒット化合物予測率を向上させたMultiple target screening法とDocking score index法,および,(2)MDを用いてΔGを算出するFilling Potential法,の種々の手法を開発し,応用を行っている.
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