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老化関連T細胞と慢性炎症および自己免疫疾患

Senescence-associated T cells in chronic inflammatory and autoimmune diseases
福島祐二,湊 長博,服部雅一
Yuji Fukushima1)/Nagahiro Minato2)/Masakazu Hattori3):京都大学大学院医学研究科認知症制御学講座1)/京都大学大学院医学研究科メディカルイノベーションセンター2)/京都大学大学院医学研究科がん組織応答共同研究講座3)
10.18958/7657-00001-0001824-00

加齢に伴う免疫系の変化は,獲得免疫応答能の低下,炎症性素因の増加,および自己免疫反応の増大により特徴づけられる.免疫老化と総称されるこの現象は多様な疾患の発症や増悪にも寄与すると考えられている.免疫老化の発生には加齢に伴うリンパ球の性質や集団構成の変化が関与する可能性があるが,メカニズムの全容は不明である.本稿では加齢に伴い増加する老化関連T細胞(SAT細胞)に焦点を当て,この細胞が免疫老化や疾患にどう関与するのか,そしてこれを標的として関連疾患を抑制しうるのかについて,マウスモデルを使うことでわかってきた最新の知見を紹介する.

老化関連T細胞(SAT細胞),加齢,自己免疫疾患,慢性炎症性疾患,CD153

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