がん免疫療法バイオマーカーとしてのTLS

三次リンパ様構造（tertiary lymphoid structures：TLS）は，炎症性微小環境に形成される異所性リンパ器官であり，近年がん免疫療法におけるバイオマーカーとしての臨床応用が期待されている．本稿では，TLSの免疫学的役割や臨床応用の可能性について，最新の研究成果を踏まえて解説する．特にTLSの密度や成熟度が予後や治療効果を予測する指標となることを紹介し，われわれの研究成果をもとに将来的展望を述べる．