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腫瘍微小環境における三次リンパ様構造の意義

Significance of tertiary lymphoid structures in the tumor microenvironment
二宮利文,冨樫庸介
Toshifumi Ninomiya1)2)/Yosuke Togashi 2):九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野1)/岡山大学学術研究院医歯薬学域腫瘍微小環境学分野2)
10.18958/7721-00001-0001904-00

三次リンパ様構造(TLS)は,細胞性免疫と液性免疫の双方を強力に誘導し,腫瘍微小環境における免疫応答の司令塔として機能する.TLSは腫瘍に直接曝露することで,環境に適応した迅速かつ持続的な免疫応答を引き起こすことが可能であり,二次リンパ組織とは異なる特徴をもつ.TLS内部では,濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞)とB細胞が相互作用を通して活性化し,多様な役割を果たして抗腫瘍応答に貢献する.TLSは免疫チェックポイント阻害薬への感受性や予後の改善との関連が示されており,治療効果予測や患者の治療選択に用いるバイオマーカーや治療標的としての役割が期待されている.

濾胞性ヘルパーT細胞(Tfh細胞),B細胞,CXCL13,マクロファージ,がん免疫療法

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