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鉄毒性とフェロトーシス

Ferroptosis: Iron toxicity-driven cell death
𥱋取いずみ,岩井一宏
Izumi Yanatori1)/Kazuhiro Iwai2):京都大学大学院医学研究科1)/京都大学2)
10.18958/7737-00001-0006025-00

鉄は,生体内で酸化還元反応の活性中心として機能し,生命活動を維持する必須の微量金属である.しかし,過剰に存在すると活性酸素の産生を促し,細胞に対して毒性(鉄毒性)をもたらすため,その代謝は厳密に制御される必要がある.近年,鉄毒性による細胞死(フェロトーシス)の発見を契機に,鉄毒性がさまざまな疾患の発症・進行に関与することが明らかになってきた.しかし,その詳細な発症メカニズムには未解明な部分も多い.適切な鉄代謝の調節は,疾患の予防や新たな治療戦略の確立に向けて大きな可能性を秘めている.

鉄代謝制御,遊離鉄,活性酸素,鉄毒性,フェロトーシス

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