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遺伝子標的型ファージ療法

Gene-targeted phage therapy
氣駕恒太朗,千原康太郎,山下和可奈
Kotaro Kiga/Kotaro Chihara/Wakana Yamashita:国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所治療薬開発研究部
10.18958/7801-00001-0006139-00

遺伝子標的型ファージ療法は,病原細菌のみを選択的に除去し,健常な細菌叢を維持できる次世代の抗菌戦略として注目されている.病原性が特定の遺伝子に依存している点に着目し,CRISPR-Casシステムを用いてこれらの遺伝子を標的とすることで,きわめて高い選択性をもつ殺菌が可能になりつつある.こうしたファージは,薬剤耐性遺伝子や毒素遺伝子を有する細菌に対して効果を示しており,すでに臨床試験に進んでいる例もある.また,診断ツールとしての応用や,最新の遺伝子編集技術との連携による新たな展開も進められており,今後の実用化と臨床応用が期待される.

CRISPR-Cas,薬剤耐性遺伝子,毒素産生遺伝子,選択的殺菌,ファージ

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