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運動による細胞老化抑制の分子基盤と疾患制御

Exercise and cellular senescence: molecular basis and disease control
10.18958/7833-00001-0006190-00
津島博道,廣瀬美嘉子,杉本昌隆
Hiromichi Tsushima 1)2)/Mikako Hirose1)/Masataka Sugimoto 1)3):国立長寿医療研究センター細胞病態研究部1)/Institute of Anatomy, University of Zurich2)/東京都健康長寿医療センター老化制御研究チーム3)

ヒトやマウスにおいて,適度な運動は末梢組織の細胞老化を抑制する作用をもつ.本総説では,運動が細胞老化を抑制するしくみに注目し,その分子基盤と疾患制御への応用可能性を概説する.細胞老化は加齢や慢性疾患の進行に寄与し,老化細胞の除去は病態改善につながることが知られている.筆者らは最近,運動により骨格筋から分泌される因子PEDFが末梢組織の老化細胞を減少させ,COPDモデルで病態進行を抑制することを見出した.本稿では,運動模倣薬候補としてのPEDFが加齢や加齢関連疾患の予防・治療戦略に新たな展望をもたらす可能性について論じる.

細胞老化,セノリシス,運動,マイオカイン,PEDF

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