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精神疾患と腸内細菌(マイクロバイオータ):新たなエビデンスに基づく因果関係と分子基盤

Psychiatric disorder and intestinal microbiota
長谷耕二
Koji Hase:Faculty of Pharmacy, Keio University(慶應義塾大学薬学部)
10.18958/6817-00001-0000743-00

われわれの腸内にはヒトの全細胞数を上回る数の常在微生物が存在しており,マイクロバイオータとよばれている.マイクロバイオータは宿主動物における免疫応答やエネルギー代謝のみならず,腸-脳相関を介して神経系の発達や機能にも寄与している.そのため,マイクロバイオータは行動や情動に影響を与え,その異常は精神疾患の発症にかかわることが示唆されている.本稿では,主に動物実験から得られた腸-脳相関の分子実態に焦点をあてるとともに,ヒト精神疾患とマイクロバイオータの関連について考察する.

腸内マイクロバイオータ,腸−脳相関,自閉症スペクトラム障害,うつ病,ディスバイオーシス

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