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精神疾患と慢性ストレス:脳内・末梢の炎症様反応と脳機能変化への関与

Chronic stress-induced inflammatory response in the brain and periphery and its behavioral relevance
北岡志保,古屋敷智之
Shiho Kitaoka1)/Tomoyuki Furuyashiki2):Department of Pharmacology, Hyogo College of Medicine1)/ Division of Pharmacology, Kobe University Graduate School of Medicine2)(兵庫医科大学薬理学講座1)/神戸大学大学院医学研究科・薬理学分野2)
10.18958/6817-00001-0000745-00

既存の抗うつ薬はモノアミンなどの神経伝達物質を標的としているが,既存の抗うつ薬で奏功しない患者が存在することから新たな創薬標的の開発が期待されている.ストレスはうつ病のリスク因子であることから,動物にくり返しストレスを与える慢性ストレスモデルを用いた研究が進められている.これらの研究により,慢性ストレスは脳や末梢で炎症様反応を誘導すること,末梢のサイトカインや血球細胞が脳機能変化に関与することが示された.さらに,細胞間および組織間相互作用やその分子実体が解明され,精神疾患の新たなバイオマーカーや創薬標的の開発につながる可能性がある.

慢性ストレス,サイトカイン,ミクログリア,単球,好中球,血管内皮細胞

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