実験医学増刊 Vol.24 No.5

シグナル受容機構の解明が導く創薬・治療への躍進

  • 加藤茂明,植田和光/編
  • 2006年03月06日発行
  • B5判
  • 223ページ
  • ISBN 978-4-7581-0269-8
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
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多彩な生理現象を司るシグナル受容のメカニズム,疾患治療や創薬のターゲットについて解説!新しい構造解析技術の開発によって加速度的に進展している,今もっともホットなシグナル受容研究の最新レビューです!

目次

概論:シグナル受容を考える 【加藤茂明】

  • 細胞膜受容体を介したシグナル受容機構
  • シグナル受容による生理機能発現におけるクロストークの意義
  • シグナル受容と創薬・疾患

第1章 シグナル受容器の構造と機能

1. インスリン受容体群の構造と機能【野口哲也,春日雅人】

  • インスリン受容体群の構造
  • インスリン受容体群によるシグナル伝達モデル
  • インスリン受容体群の生理機能
  • インスリン/IGF-1シグナルの調節と生理作用

2. サイトカイン受容体の構造と機能【深田俊幸,北村秀光,山下 晋,平野俊夫】

  • サイトカイン受容体からのシグナル伝達
  • サイトカイン受容体と生体機能:gp130を例に
  • 新たなサイトカインシグナル:JAK-STATと亜鉛シグナルとのリンク

3. ABCタンパク質の輸送体および受容体としての生理的重要性【植田和光,吾妻佑哉,高橋 圭,松尾道憲】

  • ABCタンパク質の多機能性:輸送体・受容体・チャネル
  • ABCタンパク質はわれわれの健康のために重要な役割を果たしている
  • アポリポタンパク質A-(特)の受容体:ABCA1
  • 受容体・輸送体として機能する原核生物ABCタンパク質

4. シナプス伝達のターミネーター〜神経伝達物質トランスポーターの構造と機能【山下敦子】

  • 神経伝達物質トランスポーターの結晶構造解析
  • Na+/Cl 依存性神経伝達物質トランスポーターホモログの立体構造
  • 輸送のメカニズム
  • Na+/Cl 依存性神経伝達物質トランスポーターとグルタミン酸トランスポーターの構造:違いと共通点

5. 進展する脂質膜受容体研究 〜最近のトピックス【横溝岳彦】

  • 脂質膜受容体同定の歴史と問題点
  • 抗炎症脂質リポキシンとレゾルビン
  • 細胞外プロトンセンサーGタンパク質共役型受容体と脂質リガンド
  • ロイコトリエンB4第1受容体を用いた細胞内第8ヘリックスの役割

6. ニコチン性アセチルコリン受容体の構造と機能【宮澤淳夫】

  • ニコチン性アセチルコリン受容体の構造決定手法
  • ニコチン性アセチルコリン受容体の立体構造
  • チャネルの開閉メカニズム
  • チャネルのイオン選択性
  • 立体構造と先天性突然変異
  • ニコチン性アセチルコリン受容体の神経機能

7. 水チャネルの構造と機能【藤吉好則】

  • 水チャンネルの多様性
  • AQP1の構造と機能
  • AQP0の構造と機能

第2章 シグナル受容システムと生理機能

1. エイコサノイド受容体の生理機能〜エイコサノイド受容体システムによる病態制御【坂田大治,本田哲也,松岡俊行】

  • エイコサノイドの生合成と受容体
  • 生理・病態におけるエイコサノイドの役割

2. 自然免疫とシグナル受容【河越龍方,審良静男】

  • Toll-like receptorによる病原体の認識
  • Toll-like receptorシグナル伝達
  • 細胞内における病原体認識機構

3. アディポネクチン受容体と機能【山内敏正,門脇 孝】

  • 脂肪組織由来インスリン感受性ホルモンの存在の可能性
  • インスリン高感受性小型脂肪細胞でのアディポネクチンの発現亢進
  • アディポネクチン遺伝子は日本人2型糖尿病の主要な疾患感受性遺伝子である
  • アディポネクチンは白色脂肪細胞由来の主要なインスリン感受性ホルモンである
  • アディポネクチンの補充によるインスリン抵抗性の改善
  • アディポネクチンの低下でメタボリックシンドロームが出現しうる
  • アディポネクチンはPPARαを活性化する
  • アディポネクチンはAMPキナーゼを活性化する
  • アディポネクチン受容体のクローニング
  • アディポネクチン受容体の細胞内情報伝達と機能解析
  • 肥満ではアディポネクチン低下・アディポネクチン感受性低下が生じる
  • アディポネクチン受容体を増加させる薬剤
  • アディポネクチン受容体のアゴニストの開発
  • 高分子量アディポネクチンの意義とその量を増加させる薬剤の探索

4. カルシウムチャネルとしてのIP3受容体の生理機能【御子柴克彦】

  • IP3受容体の発見の経緯
  • IP3受容体はカルシウムチャネルであることの発見
  • IP3受容体はCa2+の波や振動を引き起こす
  • IP3受容体の生理学的役割の解明
  • IP3受容体の生化学的特徴

5. グルタミン酸受容体の働き【矢和多 智,平野丈夫】

  • イオン透過型グルタミン酸受容体
  • 代謝型グルタミン酸受容体
  • ミュータントマウスによる解析

6. 嗅覚受容システム 〜匂いとフェロモン【東原和成】

  • 嗅覚受容体遺伝子
  • フェロモン受容体遺伝子
  • 匂いとフェロモンの受容体の発現様式と神経投射
  • 嗅覚受容体の構造,機能,情報伝達
  • フェロモン受容体の構造,機能,情報伝達
  • 嗅覚神経系を介した行動と生理現象

7. 味覚受容の共通原理【安岡顕人,岡田晋治,阿部啓子】

  • 味覚系の成り立ち
  • 味覚受容体
  • 味受容細胞におけるシグナル伝達

8. 脳における欠乏栄養素の認知機構【近藤高史,鳥居邦夫】

  • 味覚および内臓感覚の上行性伝導路と生理的機能
  • 栄養状態とニューロン応答性の可塑的変化

9. 薬物異物受容システム【藤井義明,三村純正】

  • 受容体としてのアリルハイドロカーボン
  • アリルハイドロカーボン受容体のリガンド構造と活性化機構
  • 活性化されたアリルハイドロカーボン受容体の機能

第3章 シグナル受容と創薬開発

1. 創薬ターゲットとしてのオーファンGタンパク質共役型受容体【桜井 武】

  • Gタンパク質共役型受容体について
  • 薬物の標的分子としてのGタンパク質共役型受容体(GPCR)の特徴
  • 創薬ターゲットとしてのオーファンGPCR
  • オーファンGPCRの内因性リガンドとして同定された生理活性物質
  • GPCR研究,とくにオーファンGPCRにかかわる諸問題

2. 核内受容体と創薬【山岡一良,藤木亮次,目崎喜弘,加藤茂明】

  • 核内受容体リガンドの生理作用と医薬品開発
  • 創薬標的分子としての核内受容体の構造と機能
  • 合成リガンドによる選択的作用の発現機序

3. 小分子化合物を起爆剤とした細胞内シグナル伝達の解明【中島梨紗,上杉志成】

  • ケミカルジェネティクス
  • 免疫抑制剤FK506が開いたケミカルジェネティクスの道
  • 合成化合物クロメセプチンによる細胞内シグナル伝達の解析

4. 創薬とタンパク質モデリング【高松善宏,板井昭子】

  • タンパク質の立体構造
  • 論理的医薬分子設計
  • タンパク質モデリング法
  • タンパク質立体構造のはらむ諸問題

5. Gタンパク質共役型受容体の構造解析に向けて【小林拓也,岩田 想】

  • 膜タンパク質構造解析の必要性とボトルネック
  • 発現精製技術の開発
  • 結晶化技術の開発
  • ロボットを用いた結晶化およびX線測定システム開発

6. ケモカイン受容体と創薬【石田和博,古谷利夫】

  • Gタンパク質共役型受容体リガンド認識仮説
  • バーチャルスクリーニング法
  • フォーカストライブラリー

7. Gタンパク質共役型受容体とゲノム創薬【辻本豪三】

  • ゲノム創業の研究ストラテジーと研究例
  • 網羅的遺伝子発現解析に基づく創薬標的探索

第4章 シグナル受容と疾患

1. 妊娠時疾患と受容体シグナルネットワーク【深水昭吉,石田純治】

  • ヒト疾患とモデル動物との関連性
  • 自然発症型モデル動物
  • 遺伝子導入・遺伝子欠損モデルマウスによる解析
  • 遺伝素因子投与モデル動物による解析
  • 胚移植法による遺伝因子探索

2. 膵β細胞からのインスリン分泌制御シグナルとその破綻【三木隆司,清野 進】

  • 生体における多様なインスリン分泌の制御メカニズム
  • グルコースによるインスリン分泌制御機構
  • cAMPによるインスリン分泌制御機構

3. 破骨細胞分化第3シグナルの発見〜骨免疫学の視点から【佐藤浩二郎,高柳 広】

  • 破骨細胞研究の発展と破骨細胞分化因子の発見
  • 骨免疫学の誕生
  • NFATc1の再発見
  • 破骨細胞分化第3シグナルの発見:免疫受容体シグナル
  • 破骨細胞分化第3シグナルの今後の課題

4. アクアポリンと疾患【佐々木 成】

  • アクアポリンの構造
  • アクアポリンの全身分布
  • アクアポリンの役割と病気

5. 受容体変異と成長障害【田中弘之】

  • 成長を制御する因子の受容体変異による疾患
  • 骨ミネラル代謝調節因子の受容体変異による疾患
  • 軟骨の増殖分化を制御する因子の受容体変異による疾患

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