実験医学増刊 Vol.27 No.7

肥満・糖尿病の病態を解明する

エネルギー代謝の最前線

ミトコンドリア・脂肪細胞の機能理解から,臓器間神経ネットワークによる代謝調節まで

  • 岡 芳知,片桐秀樹/編
  • 2009年04月10日発行
  • B5判
  • 214ページ
  • ISBN 978-4-7581-0298-8
  • 定価:5,940円(本体5,400円+税)
  • 在庫:なし
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メタボリックシンドロームの病態理解に欠かせないエネルギー代謝研究.その最新の成果を細胞レベルから個体としての臓器間代謝調節まで余すところなく解説!基礎研究はもちろん,新規治療法の開発にも役立ちます!

目次

第1章 細胞内のエネルギー代謝調節

1.ミトコンドリアにおけるATP合成酵素の活性調節機構【藤川 誠/横山 謙】

  • 1. ミトコンドリアFoF1の基本構造
  • 2. IF1の阻害機構の分子基盤
  • 3. IF1の生理的役割と疾病との関連
  • 4. 培養細胞でのIF1の機能と発現

2.エネルギー代謝とエピジェネティクス制御【村山明子/柳澤 純】

  • 1. rRNA転写とエネルギー消費
  • 2. 細胞へのエネルギー供給の変化に応じたrRNA転写速度の制御
  • 3. rDNA領域のエピジェネティックな 制御機構

3.FOXOファミリーの代謝・寿命調節機構とアルギニンメチル化クロストーク制御【深水昭吉】

  • 1. FOXOの翻訳後修飾
  • 2. FOXOの代謝・寿命制御
  • 3. アルギニン残基のメチル化制御
  • 4. アルギニンメチル化とリン酸化クロストーク制御

4.p53による糖代謝の調節と癌化の抑制機構【田中信之】

  • 1. p53が癌化を抑えるしくみ
  • 2. p53が機能しない細胞はどうして癌化しやすいのか?
  • 3. p53欠損細胞での癌化誘導に関与する機構の解析
  • 4. p53欠損細胞でのNF-κBによるグルコース代謝の促進機構
  • 5. p53欠損細胞では,IKK/NF-κB/グルコース代謝のポジティブフィードバックによって解糖系の亢進が起きる

5.エネルギー代謝制御における哺乳類サーチュインの機能【佐藤 亜希子/今井 眞一郎】

  • 1. 哺乳類サーチュインSirt1の機能
  • 2. ミトコンドリアに局在するサーチュイン—Sirt3, Sirt4,Sirt5
  • 3. その他のサーチュイン
  • 4. 2型糖尿病・メタボリックシンドロームに対する創薬標的としてのSirt1

第2章 エネルギー消費調節

1. エネルギー代謝におけるミトコンドリアの役割─インスリン抵抗性との関係【森野 勝太郎/柏木厚典】

  • 1. 生体におけるエネルギーの種類
  • 2. エネルギー代謝概論
  • 3. エネルギー代謝におけるミトコンドリアの役割
  • 4. 核磁気共鳴スペクトログラフィーを用いた骨格筋のミトコンドリア機能測定
  • 5. インスリン抵抗性被検者では骨格筋ミトコンドリア機能が低下していた
  • 6. ミトコンドリア増殖の調節機構(ミトコンドリアバイオジェネシス)
  • 7. 運動とミトコンドリア
  • 8. 遺伝とミトコンドリア機能異常・インスリン抵抗性
  • 9. インスリン抵抗性とミトコンドリア機能異常の因果関係

2. KLF5と脂肪細胞分化・骨格筋代謝【大石 由美子/真鍋一郎/永井良三】

  • 1. KLFファミリー転写因子
  • 2. 脂肪細胞分化におけるKLF5
  • 3. 骨格筋代謝におけるKLF5の機能
  • 4. KLF5の翻訳後修飾による骨格筋代謝調節とPPARδ

3. AMPKを介するエネルギー代謝調節【浅野 知一郎】

  • 1. AMPKの構造と活性化機序
  • 2. AMPKが誘導する作用の概要
  • 3. 肝臓の脂質代謝におけるAMPKの役割
  • 4. 糖代謝調節におけるAMPKの役割
  • 5. AMPK情報伝達系を活性化するホルモンや薬剤
  • 6. 視床下部におけるAMPKの役割

4. 筋肉におけるエネルギー代謝調節とインスリン抵抗性【神崎 展】

  • 1. 筋線維タイプと代謝能
  • 2. 骨格筋における糖代謝
  • 3.脂肪酸代謝とインスリン抵抗性

5. 人の基礎代謝量【田中茂穂】

  • 1. 基礎代謝量(basal metabolic rate:BMR)とは
  • 2. 基礎代謝量の変動要因
  • 3. BMRとアディポサイトカイン
  • 4. BMRのその他の主な変動要因
  • 5. 肥満者におけるBMR
  • 6. 肥満の原因としてのBMR
  • 7. 運動以外の身体活動(NEAT)

第3章個体としてのエネルギー代謝調節

1. 神経を介した臓器間連関によるエネルギー代謝調節機構【今井淳太/山田哲也/宇野健司/岡 芳知/片桐秀樹】

  • 1. 消化管からの求心性神経シグナル
  • 2. 脂肪組織からの求心性神経シグナル
  • 3. 肝臓からの求心性神経シグナル

2. アディポネクチン受容体とエネルギー代謝調節【山内敏正/門脇 孝】

  • 1. アディポネクチンとメタボリックシンドローム
  • 2. アディポネクチンの分子作用メカニズム
  • 3. アディポネクチン受容体:AdipoR
  • 4. アディポネクチンは飢餓時に摂食を増加させようとする倹約遺伝子である

3.肝糖新生制御とSTAT3【小川 渉】

  • 1. 肝臓における糖産生の制御
  • 2. ホルモンによる糖新生系酵素遺伝子の発現制御
  • 3. STAT3と糖新生の制御

4.インクレチンとエネルギー代謝調節【山田 祐一郎】

  • 1. インクレチンとは
  • 2. GIPとエネルギー代謝
  • 3. 高脂肪食とGIP
  • 4. 過食とGIP
  • 5. 加齢とGIP
  • 6. GLP-1とエネルギー代謝

5.分子時計によるエネルギー代謝調節【向阪 彰/前田正信】

  • 1. 生体リズムの重要性
  • 2. 生体リズムを制御する体内時計
  • 3. 分子時計とエネルギー代謝調節の相互作用
  • 4. 時計遺伝子のジェネティクスからエピジェネティクスへ

6. 低体温・低代謝耐性と冬眠ホルモン【近藤宣昭】

  • 1. 冬眠とエネルギー代謝
  • 2. 心臓機能の概年性調節
  • 3. 冬眠ホルモンと生体保護
  • 4. HP複合体の調節と機能

第4章 摂食調節

1. 摂食調節シグナルとしての視床下部AMPK/mTORと細胞内代謝【箕越靖彦】

  • 1. 摂食調節にかかわる視床下部神経回路
  • 2. 視床下部AMPKによる摂食調節作用
  • 3. 視床下部における脂肪酸代謝と摂食調節
  • 4. 視床下部mTORと摂食調節

2. 視床下部における摂食調節物質の新知見【中里雅光】

  • 1. 視床下部とエネルギー調節機構
  • 2. グレリン
  • 3. セロトニン
  • 4. マロニルCoA
  • 5. カンナビノイド系

3.レプチン・メラノコルチンシグナルと摂食調節【日下部 徹/海老原 健/田中智洋/中尾一和】

  • 1. レプチンとレプチン受容体
  • 2. レプチンの下流のシグナル
  • 3. 単一遺伝子異常症からみるレプチン・メラノコルチンシグナルの重要性

4. エネルギー恒常性の制御系におけるオレキシンの役割【桜井 武】

  • 1. オレキシン系の概要
  • 2. ナルコレプシーとオレキシン
  • 3. オレキシンによるモノアミン・コリン作動性神経の制御
  • 4. オレキシン産生神経の制御機構
  • 5. オレキシンによる摂食行動の制御メカニズム
  • 6. 報酬系および摂食行動と覚醒をリンクするオレキシンニューロン

5. 神経ヒスタミンと肥満【正木孝幸/吉松博信】

  • 1. 神経ヒスタミン
  • 2. レプチンと脱共役性タンパク質
  • 3. 神経ヒスタミンを介したレプチン作用
  • 4. 神経ヒスタミンによる脂肪分解作用
  • 5. 概日リズムと肥満
  • 6. 神経ヒスタミンと摂食リズム

6. ネスファチン-1と食欲調節【清水弘行/森 昌朋】

  • 1. 摂食抑制を示すネスファチン活性部位の同定
  • 2. ネスファチン-1による摂食抑制機構
  • 3. ネスファチン-1の末梢投与効果

第5章 脂肪蓄積による影響

1. 脂肪細胞の数と大きさ;肥大化と過形成のエネルギー代謝における役割【阪上 浩】

  • 1. 脂肪細胞のサイズと数の変化
  • 2. 脂肪細胞肥大化と脂肪組織の形質変化
  • 3. 形質変化を誘導する脂肪細胞のautonomousな制御機構
  • 4. 生体での脂肪細胞数とその制御機構
  • 5. 脂肪細胞数とエネルギー代謝制御
  • 6. おわりにかえて:脂肪細胞数維持システムと肥満症,肥満症治療

2. 肥満の脂肪組織におけるマクロファージの浸潤と炎症性変化【伊藤綾香/菅波孝祥/小川佳宏】

  • 1. 肥大化脂肪細胞における細胞内ストレス
  • 2. 肥満脂肪組織へのマクロファージ浸潤
  • 3. 脂肪細胞とマクロファージの相互作用
  • 4. マクロファージの質的変化
  • 5. マクロファージ以外の免疫担当細胞

3.アディポサイトカインとメタボリックシンドローム【日生下 亜紀/船橋 徹】

  • 1. アディポネクチンと糖尿病
  • 2. アディポネクチンと高血圧
  • 3. アディポネクチンと脂質異常症
  • 4. アディポネクチンと動脈硬化

4. 核内受容体PPARγによる肝脂質蓄積の制御【松末公彦】

  • 1. 肝臓におけるPPARγの発現
  • 2. 脂肪肝におけるPPARγの役割
  • 3. PPARγ依存的な脂肪肝発症のメカニズム
  • 4. fsp27ノックアウトマウスの表現型

5. 肥満に対する膵β細胞の応答と破綻【石原寿光】

  • 1. 肥満状態での膵β細胞量増加とインスリン過分泌
  • 2. 肥満個体におけるβ細胞障害の原因
  • 3. 肥満個体におけるβ細胞障害のメカニズム

6.肥満とミトコンドリア由来活性酸素【西川武志/荒木栄一】

  • 1. 肥満と酸化ストレス
  • 2. 脂肪組織におけるミトコンドリア由来活性酸素の役割
  • 3. インスリン抵抗性とミトコンドリア由来活性酸素
  • 4. 血管障害とミトコンドリア由来活性酸素

7. 生体イメージングでみる肥満脂肪組織【西村 智/杉浦清了】

  • 1. 今なぜ生体イメージングなのか?
  • 2. 肥満脂肪組織イメージングの意義
  • 3. 肥満に伴う脂肪組織リモデリング
  • 4. いかに生体内の細胞をみるか:「生体内分子イメージング」の開発
  • 5. 「生体内分子イメージング」により捉えられた肥満脂肪組織における慢性炎症
  • 6 肥満に対する免疫系の関与

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  • 【本書名】実験医学増刊:肥満・糖尿病の病態を解明する エネルギー代謝の最前線〜ミトコンドリア・脂肪細胞の機能理解から,臓器間神経ネットワークによる代謝調節まで
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