実験医学増刊 Vol.30 No.13

心と体のクロストークから解く

精神・神経疾患

発症基盤・病態生理を担う分子カスケードから臨床応用まで

  • 櫻井 武,澤 明/編
  • 2012年07月20日発行
  • B5判
  • 221ページ
  • ISBN 978-4-7581-0324-4
  • 定価:5,400円+税
  • 在庫:なし
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気分障害や統合失調症,パーキンソン病をはじめとした心の病について,代謝や免疫システムとの密接な関わりから,遺伝子・細胞・個体レベルの多彩な研究戦略まで,新たな診断・創薬へ向けた最近動向を総力特集!

目次

概論 精神・神経疾患研究の現状と社会の要請【櫻井 武/樋口輝彦】

  • 心の病に対する社会の関心と医学・医療の対応
  • 心とからだのクロストーク
  • 精神・神経疾患の研究の進展
  • 新しい治療への道

第Ⅰ部 精神・神経疾患の最前線:心と体のクロストーク

第1章 精神・神経疾患の最近のトピックス─体との接点─

1. パーキンソン病と体の病【山門穂高/高橋良輔】
  • パーキンソン病の全身症状と体の病
  • 体の病とパーキンソン病
2. 気分障害と糖尿病のクロストークとその病態基盤【加藤隆弘/園田紀之/井口登與志/神庭重信】
  • 神経内分泌系を介した機序
  • 自律神経系を介した機序
  • 炎症免疫系を介した機序
3. 統合失調症における身体合併症の臨床,疫学研究を通じた,疾病の生物学的理解【高柳陽一郎】
  • 統合失調症におけるメタボリック症候群,特に糖尿病のリスク
  • 統合失調症における悪性腫瘍のリスク
4. 自閉症と睡眠・消化管障害【内匠 透】
  • 睡眠障害と自閉症スペクトラム障害
  • 消化管障害と自閉症スペクトラム障害
  • その他の身体機能障害と自閉症スペクトラム障害
5. Ciliopathy:身体症状と精神・神経病態を結ぶ細胞小器官異常【石塚公子】
  • Cilia と細胞内シグナリング
  • Ciliopathy の分類と原因遺伝子
  • Ciliopathy と精神・神経疾患
6. 視床下部と体の病,肥満と報酬系【山田哲也/片桐秀樹】
  • 恒常性維持的な摂食およびエネルギー消費調節
  • 報酬系(reward system)が及ぼす摂食行動調節

第2章 心の病・体の病をつなぐ基盤分子

1. サイトカイン:精神・神経病態形成のキープレーヤー【渡辺すみ子/澤 明】
  • サイトカイン:その発見と血液学での研究の発展
  • サイトカインと脳:臨床とモデル動物が示唆するもの
  • サイトカインと脳:分子機構について
2. 心理ストレスにおける炎症関連分子の役割とミクログリア活性化への関与【古屋敷智之】
  • 反復ストレスにおける炎症関連分子の役割
  • 反復ストレスによるミクログリア活性化とその役割
3. 細胞内シグナルからみた心と体─ PI3K-Akt 経路,ERK 経路【孫 徹/細田公則/中尾一和】
  • レプチンと中枢でのエネルギー代謝調節
  • インスリンと中枢でのエネルギー代謝調節
  • 統合失調症関連遺伝子ニューレグリン
4. 代謝調節分子の中枢神経系における役割─脳内インスリン様受容体シグナル分子IRS2 を介した神経機能調節機構【田口明子/倉田栄子/福岡屋 航】
  • インスリン様受容体基質:IRS タンパク質
  • IRS 遺伝子タンパク質欠損マウス
  • 中枢神経系におけるIRS2
5. mTOR 経路の精神・神経疾患における役割─多様な体の疾患や加齢にかかわる共通経路【木下美香/Stephen T. Warren】
  • mTOR 複合体
  • mTOR の構造
  • mTOR を制御する因子
  • mTOR の役割
  • 疾患や健康への関与
6. 脳神経疾患・心疾患に共通するストレス反応性経路【瀧本英樹】
  • GAPDH ストレス反応性カスケード
  • GAPDH ストレス反応性カスケードの薬理学的阻害
  • 心臓におけるGAPDH ストレス反応性カスケードの役割

第Ⅱ部 戦略的な精神・神経疾患研究

第3章 新しいプレクリニカルの技術展開─トランスレーションに向けて─

1. 精神疾患モデル動物の作製と治療法スクリーニング【疋田貴俊/友田利文】
  • 単一遺伝子からの精神疾患モデル動物の作製
  • ショウジョウバエを用いた行動学スクリーニング
2. 光技術を用いた神経回路機能の解読と操作【尾藤晴彦/松崎政紀/吉村由美子/古田寿昭】
  • 神経情報イメージングの爆発的進展
  • チャネルロドプシンを用いたオプトジェネティクスの勃興
  • グルタミン酸アンケージングによる局所回路の操作
  • ケージド試薬レパートリーの拡大
3. 2光子顕微鏡の神経科学研究への応用─分子から個体までをつなぐ病態解明への新たな光として【塗谷睦生】
  • 2光子顕微鏡の原理と特徴
  • 2光子顕微鏡技術の神経科学研究への応用
  • 「観る」技術を超えた2光子顕微鏡の新展開
4. 脳波オシレーション:病態の解析およびバイオマーカーとしての可能性【平瀬 肇】
  • 脳波活動と精神・神経疾患
  • モデル動物でのオシレーション
  • γ波の発生メカニズムと統合失調症の関連
  • トランスレーショナルな理解に向けて
5. アッセイとしての齧歯類認知行動解析【梶井 靖】
  • 空間作業記憶評価
  • 思考柔軟性評価
  • 対連合学習評価
  • 認知行動解析の自動化
6. マウスの養育(子育て)行動とその異常:スクリーニングのためのプロトコル【大西竜子/恒岡洋右/黒田公美】
  • マウス子育て行動の種類と概要
  • マウス子育て行動の定量のためのマウスの繁殖
  • マウス養育行動試験のプロトコル
  • 母親以外のマウスのドナー仔に対する行動の評価
  • より詳細な行動の観察

第4章 新しい臨床研究の技術とプロジェクト展開

1. ヒト遺伝学的解析手法による精神・神経疾患へのアプローチ─心と体の接点としての遺伝的背景【櫻井 武】
  • 遺伝的要因の疾患への関与
  • 遺伝学的解析による精神・神経疾患へのアプローチ
  • ゲノムワイド解析へ
  • 何が明らかになったのか
  • 次世代シークエンシングによって遺伝学的解析を行ううえでの今後の課題
2. 精神・神経疾患研究のためのブレインバンク【村山繁雄/齊藤祐子/丹羽真一】
  • 米国ブレインバンクの概観
  • オーストラリアブレインバンクの概観
  • 本邦におけるオープンリソースとしてのブレインバンク
  • 今後の展望
3. 精神疾患研究におけるヒト細胞工学技術の可能性と課題【加野真一】
  • 誘導性の神経系細胞について
  • 精神疾患研究への応用の可能性
  • 誘導性のヒト神経系細胞技術の課題
4. 次世代シークエンス技術を用いた精神疾患研究の新たなストラテジー【高田 篤/加藤忠史】
  • 次世代シークエンス技術とは
  • ゲノムDNA 配列の解析
  • ゲノムDNA 配列以外の解析
5. トランスクリプトーム解析を用いた精神疾患のトランスレーショナルリサーチ【西村有平/Daniel H. Geschwind】
  • 死後脳を用いたトランスクリプトーム解析
  • iPS 細胞由来神経系細胞や神経前駆細胞を用いたトランスクリプトーム解析
  • 末梢血由来細胞を用いたトランスクリプトーム解析.
  • 加重遺伝子共発現ネットワーク解析(WGCNA)
  • トランスクリプトームデータの共有
6. 臨床生理学的アプローチ・イメージング─脳病態の理解,新たなバイオマーカーの開発に向けて【村井俊哉/笠井清登】
  • 形態学的評価(体積測定・皮質厚測定など)
  • 白質病理の評価(拡散テンソル画像)
  • 統合失調症の早期介入に資する神経画像・神経生理指標の研究
7. デコーデッド・ニューロフィードバックによる精神疾患治療の可能性【福田めぐみ/川人光男】
  • 神経疾患とシステム神経科学
  • fMRI ニューロフィードバックの臨床応用例
  • Dec-Nefと従来のニューロフィードバックの比較
  • Dec-Nef を用いた視知覚学習
  • 精神疾患患者における異常脳活動
  • ニューロフィードバックによる精神疾患治療の可能性
8. アルツハイマー病の根本治療薬の開発の現況と展望─神経変性疾患のコホート研究の先行例として【岩田 淳】
  • AD の分子病態
  • A βに対する介入の早期化への挑戦
  • 軽度認知機能障害とアルツハイマー型認知症との関係
  • 前向きコホート研究の重要性
  • AD の新しい診断基準
  • 薬剤の開発ストラテジーとAD での問題点

第5章 そして創薬へ

1. 精神疾患の新薬開発動向:PⅠ~PⅢの話題を中心に【高橋長秀】
  • うつ病の新薬開発動向
  • 統合失調症の新薬開発動向
  • 双極性障害の新薬開発動向
  • 自閉性障害の新薬開発動向
2. 精神・神経疾患の創薬におけるベンチャーの役割【森下竜一】
  • 変化する創薬
  • 精神・神経疾患における創薬でのベンチャーの活躍
  • なぜベンチャーが必要か?
  • 日本における創薬の問題点とその打開をめざす動き
3. 市販後臨床試験,医師主導型臨床試験,そして比較効果研究【古川壽亮】
  • 市販後臨床試験
  • 医師主導型臨床試験
  • 比較効果研究
  • 実践的臨床試験
  • SUN D による抗うつ薬の最適使用戦略の確立
4. 結びにかえて─心と体のクロストークの理解によって解決するであろうさまざまなこと,その期待【澤 明】
  • 精神疾患における身体症状を紐解く
  • 精神疾患における遺伝子の意味とは
  • 心と体を「つなぐ」意義とは

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