成人診療科医のための 小児リウマチ性疾患移行支援ガイド

  • 厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 小児期および成人移行期小児リウマチ患者の全国調査データの解析と両者の異同性に基づいた全国的「シームレス」診療ネットワーク構築による標準的治療の均てん化 研究班/編,一般社団法人 日本小児リウマチ学会,一般社団法人 日本リウマチ学会/他
  • 2020年05月20日発行
  • B5判
  • 141ページ
  • ISBN 978-4-7581-1876-7
  • 定価:4,950円(本体4,500円+税)
  • 在庫:あり
書籍を購入する
web立ち読み公開中
本書を一部お読みいただけます

小児の特徴は,常に発育(成長,発達)していることである.成長は身体の量的な増大のことで, 発達とは機能的な成熟を意味する.発育期は,新生児期(出生後の4週間), 乳児期(出生より1年),幼児期(小学校入学まで),学童期(児童期:小学校在学期間),思春期(中学生から青年になるまで,あるいは身長の伸びが止まるまで)に区分される3)

小児医療の本来の目標は個々の小児の成長と発達を最適化することである.小児リウマチ性疾患の経過において,遷延する炎症や副腎皮質ステロイドの長期に及ぶ高用量投与は成長を阻害するリスク要因となる.JIAにおける関節炎症や若年性皮膚筋炎における筋障害は運動発達に影響を及ぼしうる.また,慢性的な疾患の経過や通院・入院によって,年齢相応の社会的・情緒的・道徳的発達が得られず,対人関係,学校社会生活,医療の場でのコミュニケーションに支障をきたすこともある.…

続きを読む
PDFダウンロード

小児期に発症した若年性特発性関節炎、全身性エリテマトーデス,若年性皮膚筋炎・若年性特発性炎症性筋疾患,シェーグレン症候群の4疾患について,成人診療科への移行を成功させるための要点をCQ形式で簡潔に解説

目次

発刊にあたって【森 雅亮】

略語一覧

執筆者一覧

Ⅰ. 総論

CQⅠ:移行支援が必要な理由・時期・疾患

CQⅠ-1 小児期発症のリウマチ性疾患患者の成人診療科への移行はなぜ必要か?
CQⅠ-2 移行期の成長や発達に関して知っておくべきことは何か?
CQⅠ-3 適切な移行時期はいつか?
CQⅠ-4 移行支援を必要とする小児リウマチ性疾患にはどのようなものがあるか?

CQⅡ:移行期患者に必要な医療助成と社会保障の知識

CQⅡ-1 医療費助成制度で,移行期に注意すべき点は?(小児慢性特定疾病と指定難病の関係,適応年齢などを含む) 
CQⅡ-2 知っておくべき関連法規,社会保障制度は?
CQⅡ-3 小児慢性特定疾病指定医の要件は?

CQⅢ:移行期患者の精神的発達と心理的問題

CQⅢ-1 小児の精神発達について知っておくべき特徴は?
CQⅢ-2 本人,家族とのコミュニケーション,関係性について配慮すべき点は?
CQⅢ-3 個人の成長と理解度に配慮した病気の説明方法は?
CQⅢ-4 移行期患者に対してどのような心理的介入を行うべきか?
CQⅢ-5 移行期患者に対する心理評価にはどのようなものがあるか?

CQⅣ:移行期患者の身体変化と薬剤・合併症のリスクマネジメント

CQⅣ-1 各種薬剤における小児と成人での適応症の違いは? 使用上の注意点の違いは?
CQⅣ-2 成長や発達に伴い,薬剤の治療反応性,副作用,代謝の違いは変化していくのか?またそれを考慮した薬剤投与で注意すべき点は?
CQⅣ-3 治療薬(副腎皮質ステロイド,抗リウマチ薬,免疫抑制薬,生物学的製剤など) は成長に影響を与えるのか?
CQⅣ-4 治療薬(副腎皮質ステロイド,抗リウマチ薬,免疫抑制薬,生物学的製剤など) は妊孕性に影響を与えるのか?
CQⅣ-5 移行期患者の骨粗鬆症対策はどうすべきか?
CQⅣ-6 日和見感染症対策はどこまですべきか?
CQⅣ-7 小児期発症症例の長期予後についてわかっていることはどのようなことか?(予後不良因子はどのようなものか?) 
CQⅣ-8 原病や治療薬(免疫抑制薬,生物学的製剤)は悪性腫瘍の発生リスクを上昇させるか? 
CQⅣ-9 妊娠を考えるにあたり治療薬に関して注意すべき点は何か?
CQⅣ-10 放射線画像検査が患者にどのような影響を与えるか?
CQⅣ-11 予防接種はどうすべきか?

CQⅤ:移行期患者が,移行に際して知っておくべき知識・医療行動

CQⅤ-1 移行期患者が,受療の際,医療者に伝えるべきことは何か?
CQⅤ-2 保護者が児の移行に際して知っておくべき知識・医療行動は何か?
CQⅤ-3 移行期患者,保護者に伝えるべき必要な服薬管理は何か?

CQⅥ:移行期患者を診るうえで知っておくべき,患者の学校生活・就職・日常生活

CQⅥ-1 学校生活や日常生活において配慮すべき点は何か?

CQⅦ:移行期患者における性の健康

CQⅦ-1 移行期患者を診るうえで必要な性についての知識は何か?

CQⅧ:自己決定にかかわる課題

CQⅧ-1 患者が治療方針決定にどの程度かかわるべきか?
CQⅧ-2 親(保護者)が同席しない診察や面談の時期を判断する目安は?
CQⅧ-3 臨床試験に参加するためには,同意も含めてどのようにしたらよいか?

Ⅱ. 各 論

1.若年性特発性関節炎(JIA)

❖JIA診療のエッセンス

CQⅠ:移行期JIA患者を診るうえで知っておくべき,JIAの評価・心理的サポート

CQⅠ-1 評価にはどのようなものがあるか?
CQⅠ-2 心理的介入はどのように行うべきか?

CQⅡ:移行期全身型JIA患者を診るうえで知っておくべき知識

CQⅡ-1 長期予後についてわかっていることは何か?
CQⅡ-2 症状について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-3 体調不良時の対応について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-4 定期検査について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-5 NSAIDsの使用法とその注意点は何か?
CQⅡ-6 副腎皮質ステロイドの使用法とその注意点は何か?
CQⅡ-7 従来型合成抗リウマチ薬(csDMARDs)やその他の薬剤について必要な知識は何か?
CQⅡ-8 生物学的製剤について必要な知識は何か?
CQⅡ-9 注意すべき合併症は何か?
CQⅡ-10 マクロファージ活性化症候群(MAS)について知っておくべき知識は何か?

CQⅢ:移行期関節型JIA患者を診るうえで知っておくべき知識

CQⅢ-1 長期予後についてわかっていることは何か?
CQⅢ-2 関節症状について知っておくべき知識は何か?
CQⅢ-3 体調不良時の対応について知っておくべき知識は何か?
CQⅢ-4 定期検査について知っておくべき知識は何か?
CQⅢ-5 NSAIDsの使用法とその注意点は何か?
CQⅢ-6 副腎皮質ステロイドの使用法とその注意点は何か?
CQⅢ-7 MTXの使用法とその注意点は何か?
CQⅢ-8 MTX以外のcsDMARDsについて必要な知識は何か?
CQⅢ-9 生物学的製剤について必要な知識は何か?
CQⅢ-10 注意すべき関節外症状と合併症は何か?
CQⅢ-11 在宅自己注射の患者への指導について知っておくべき知識は何か?

CQⅣ:移行期JIA患者に関する社会保障制度について必要な知識

CQⅣ-1 社会保障制度について知っておくべき知識は何か?

CQⅤ:移行期JIA患者の運動(学校体育を含む)に関する注意点

CQⅤ-1 移行期JIA患者の運動(学校体育を含む)に関して注意する点は何か?

CQ Ⅵ:移行期JIA患者におけるリハビリテーション,整形外科的アプローチ

CQⅥ-1 患者を診るうえで知っておくべき,リハビリテーション科との連携の取り方は?
CQⅥ-2 患者を診るうえで知っておくべき,整形外科との連携の取り方は?

2. 全身性エリテマトーデス(SLE)

❖小児SLE診療のエッセンス

CQⅠ: 移行期SLE患者のQOL・心理的サポート

CQⅠ-1 QOL評価にはどのようなものがあるか?
CQⅠ-2 心理的評価はどのように行うべきか?
CQⅠ-3 心理的介入はどのように行うべきか?

CQⅡ:移行期SLE患者を診るうえで知っておくべきSLEについての知識

CQⅡ-1 皮膚の症状について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-2 腎臓の症状について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-3 神経精神症状について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-4 体調不良時の対応について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-5 定期検査について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-6 治療について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-7 患者を診るうえで知っておくべき,小児期発症患者特有の併存疾患で注意すべきものにはどのようなものがあるか?(膠原病,甲状腺疾患,自己免疫疾患など)

CQⅢ:移行期SLE患者を診るうえで知っておくべき医療費助成制度の知識

CQⅢ-1 医療費助成制度について知っておくべき知識は何か?

CQⅣ:移行期SLE患者に必要な自立した医療行動(総論に加えて)

CQⅣ-1 皮膚症状へのセルフケアについて知っておくべき知識は何か?
CQⅣ-2 小児期発症症例の長期予後についてわかっていることはどのようなことか?(予後不良因子はどのようなものか?)

CQⅤ:移行期SLE患者を診るうえで知っておくべき,患者の学校生活・就職・日常生活(総論に加えて)

CQⅤ-1 移行期SLE患者の学校生活・就職・日常生活に関して注意する点は何か?

CQ Ⅵ:移行期SLE患者の性的健康~妊娠と避妊の性的問題の管理(総論に加えて)

CQ Ⅵ-1 パートナーに知ってほしいSLE女性の性的健康に関する知識は?
CQ Ⅵ-2 抗Ro/SS-A抗体陽性SLE女性に必要な妊娠,出産に関する知識は?

3. 若年性皮膚筋炎(JDM)・若年性特発性筋疾患 (JIIM)

❖小児期JDM・JIIM診療のエッセンス

CQⅠ:移行期JDM・JIIM患者のQOL・心理的サポート

CQⅠ-1 QOL評価にはどのようなものがあるか?
CQⅠ-2 心理的評価はどのように行うべきか?
CQⅠ-3 心理的介入はどのように行うべきか?

CQⅡ:移行期JDM・JIIM患者を診るうえで知っておくべき,JDM・JIIMについての知識

CQⅡ-1 皮膚症状や所見について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-2 筋症状や所見について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-3 肺症状や所見について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-4 体調不良時の対応について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-5 診断にかかわる検査について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-6 定期検査について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-7 治療について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-8 合併症について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-9 合併する自己免疫疾患について知っておくべき知識は何か?

CQⅢ:移行期JDM・JIIM患者を診るうえで知っておくべき,医療費助成制度の知識

CQⅢ-1 医療費助成制度について知っておくべき知識は何か?

CQⅣ:移行期JDM・JIIM患者に必要なセルフケア

CQⅣ-1 移行期JDM・JIIM患者に必要なセルフケアは何か?

4. シェーグレン症候群 (SS)

❖小児期SS診療のエッセンス

CQⅠ:移行期SS患者のQOL・心理的サポート

CQⅠ-1 QOL評価にはどのようなものがあるか?
CQⅠ-2 心理的評価はどのように行うべきか?
CQⅠ-3 心理的介入はどのように行うべきか?

CQⅡ:移行期SS患者を診るうえで知っておくべきSSについての知識

CQⅡ-1 眼乾燥症状について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-2 口腔乾燥症状について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-3 腺外症状や所見について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-4 患者に伝えるべき体調不良時の対応は何か?
CQⅡ-5 診断にかかわる検査について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-6 定期検査について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-7 治療について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-8 合併症について知っておくべき知識は何か?
CQⅡ-9 診察に際して,医療者が患者から得ておくべき情報は何か?(総論に加えて)

CQⅢ:移行期SS患者を診るうえで知っておくべき,医療費助成制度の知識

CQⅢ-1 医療費助成制度について知っておくべき知識は何か?

CQⅣ:移行期SS患者に必要な乾燥症状に対するセルフケア

CQⅣ-1 移行期SS患者に必要なセルフケアは何か?

CQⅤ:移行期抗Ro/SS-A抗体陽性女性に必要な妊娠・出産に対する支援

CQⅤ-1 移行期抗Ro/SS-A抗体陽性女性に必要な妊娠・出産に対する支援は何か?

索 引

購入方法・送料について

本書は全国の羊土社取扱書店にてご購入いただけます.店頭にて見当たらない場合は,下記情報を書店にお伝え下さい.

  • 【本書名】成人診療科医のための 小児リウマチ性疾患移行支援ガイド
  • 【出版社名】羊土社

お近くに取扱書店が無い場合,特に海外でご覧になりたい場合,羊土社HPでのご注文および発送も承っておりますので,下記ご参照のうえ,注文をご検討ください.

羊土社HPでのご注文について

本書を羊土社HPにてご購入いただきますと,本体価格に加えて,送付先・お支払い方法などにより下記の費用がかかります.お手続き等詳細は書籍購入案内のページをご参照ください.

分類 項目 費用
国内 消費税 +450円
送料 +500円
手数料(代引きのみ) +300円
海外 航空便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +610円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +780円
第2地帯(ヨーロッパ) +780円
第3地帯(アフリカ、南米) +1010円
EMS便送料 第1地帯(アジア、グアム、ミッドウェイ等) +1400円
第2地帯(オセアニア、中近東、北米、中米) +2000円
第2地帯(ヨーロッパ) +2200円
第3地帯(アフリカ、南米) +2400円

※この表は本書のみご購入いただいた場合の費用をまとめたものです.他の書籍を同時に購入する場合はお申し込み金額や重量により費用が異なってまいりますのでご注意ください.

海外でご活躍中の皆さまへ 書籍のご購入方法,電子書籍,そのほか役立つ情報をご案内します

法人向け 購入のお問い合わせ

法人での書籍の一括購入につきまして,「見積書や請求書払い」「複数の発送先への対応」「研修用などで使用する書籍の選定についてのアドバイス」等、下記フォームよりお気軽にお問い合わせください。

こちらの書籍もお勧めいたします

  • 9784758112680
  • 9784758112697
  • 9784758124096
  • 9784758123594
  • 9784758122139
  • 9784758127042
  • 9784758123990

電子書店で購入する

本書が販売されている主な電子書店をご紹介いたします.

  • 羊土社HP外のサイトになります
  • ご利用方法は各電子書店でご確認ください
  • VarsityWave eBooks
  • m2plus eBookStore
  • 医書.jp
  • Kinoppy
  • Knowledge Worker
  • メディカルオンライン・イーブックス
サイドメニュー開く