実験医学:特集1:冬眠・休眠の代謝機構を知り、ヒトへの医療応用をめざす/特集2:がん治療の鍵を握るVEGFと腫瘍免疫環境
実験医学 2026年6月号 Vol.44 No.9

特集1:冬眠・休眠の代謝機構を知り、ヒトへの医療応用をめざす/特集2:がん治療の鍵を握るVEGFと腫瘍免疫環境

  • 山口良文,髙倉伸幸/編
  • 2026年05月20日発行
  • B5判
  • 132ページ
  • ISBN 978-4-7581-2604-5
  • 2,750(本体2,500円+税)
  • 在庫:予約受付中

特集1 概論

概論:冬眠・休眠―哺乳類の代謝抑制戦略

Mammalian hibernation and torpor: a survival strategy by metabolic suppression
10.18958/7971-00001-0006384-00
山口良文
Yoshifumi Yamaguchi:北海道大学低温科学研究所冬眠代謝生理発達分野

冬眠(hibernation)・休眠(torpor)は,単に体温が下がり活動が止まる現象ではない.特に恒温動物においては,積極的な代謝抑制によって体熱維持のためのエネルギーを節約し,資源枯渇期を乗り切る,精巧で可逆的な生体プログラムである.本特集は,その最前線を多階層的に読み解くことを狙う.本概論では,冬眠の定義と多様性,能動的な低代謝,概年リズムなど基礎概念を整理し,近年の神経回路(Qニューロン)同定,ゲノム解析・ゲノム編集の進展,低温耐性機構解明といった最新動向を概説する.

冬眠・休眠,代謝,低温耐性,QIH

はじめに

ヒトを含む哺乳類の多くは体温を37℃付近に高く保つ恒温性により,運動能だけでなく神経活動・消化吸収などの生体反応を高レベルで維持できる.その一方で,体温を高く維持するための代謝性産熱に多くのエネルギーを必要とする.しかし,食物が枯渇しエネルギー源の供給が低下する場合や,外界温度と体温の差が大きく産熱需要が増大する寒冷環境下では,エネルギーの需要と供給のギャップが問題となる.そうした厳しい環境を生き延びるために動物がとる生存戦略には,体脂肪の貯蔵,食物の貯蔵,他の地域への移動などに加え,代謝を大きく落としてエネルギー需要を大幅に下げる冬眠(hibernation:ハイバーネーション)や休眠(torpor:トーパー)がある1).日常語としての「冬眠」は,「冬のあいだ寝て過ごす」という印象が強いが,その本質は,「低代謝が制御された形で長時間続く」点にある.このように,特に恒温動物の冬眠や休眠は,単なる活動低下や休止ではなく,代謝のあり方そのものを切り替え,需要側を積極的に落とすことで,資源枯渇期を越える戦略だと理解できる.自然界が編み出したこの「代謝抑制」戦略は,その理解によりヒトのさまざまな代謝性疾患の予防・治療への応用も期待されるため,注目度が近年急速に高まっている2)

概念図 恒温動物の分類と本特集で扱う話題
(ハムスターの画像はCC BY 4.0に基づき文献17より改変して掲載)

冬眠(hibernation)・休眠(torpor)とは?――その本質は可逆的な「代謝抑制」

体温が下がる.心拍が落ちる.呼吸が遅くなる.動かなくなる.冬眠や休眠と聞いて,多くの人がまず思い浮かべるのは,このような低温下の変温動物でみられる「生命活動が静かに減速または停止した状態」であろう.だが,恒温動物の冬眠・休眠は,単に外気温が下がったから体温が下がる,という受動的な活動停止状態ではない.

恒温動物である哺乳類・鳥類にみられる冬眠は,「積極的な代謝抑制による低代謝状態(これを休眠とよぶ)が冬に長時間続く」現象と定義される3).ただし小型哺乳類の場合は,休眠が途切れずに続くのではなく,休眠と中途覚醒を数日周期でくり返すのが冬眠の基本構造である().ヒトはそもそも冬眠しないし,イヌ,ネコ,ラット,ウマやウシといった,比較的私たちの身近にいる動物は冬眠・休眠を行わない.そのため従来,冬眠は「一部の特殊な動物が示す珍しい現象」として捉えられがちであった.しかし近年,この見方は大きく変わっている.実験動物であるマウスは,長期間かつ極端な低体温となる冬眠は行えないが,じつは野生では短時間の休眠は行える.また研究室で飼育されているマウスでも,飢餓時には飢餓誘導性の休眠(fasting-induced torpor)を行う4)5).こうした,恒温動物のなかでも通常体温の37℃とは異なる体温域をとれる動物を,特に異温動物(heterotherm)とよぶ1).異温動物のなかでも極端な体温変化を示すものが,冬眠する哺乳類(本特集では冬眠動物とよぶ)である.冬眠動物はジリス,コウモリ,ハムスター,ヤマネ類など哺乳類全上目のなかで多系統に広がり,その進化的起源についても活発に議論されている6)

図 休眠と中途覚醒の概念図
哺乳類冬眠の典型的な体温推移(覚醒サイクル).低体温・低代謝状態(休眠)が数日間持続し,途中で体温が平熱近くまで回復する中途覚醒が周期的に挟まれる.外気温や種によって休眠の深さ・周期は変化するが,「休眠と中途覚醒の反復」が冬眠の基本構造である.

「冬眠」という語が指す現象は,一見すると多様である.上にあげた小型冬眠動物は,多くは体温が外気温近くまで下がり,極端な場合はホッキョクジリスのように体温が氷点下にもなる7).この体温低下は,熱反射反応と代謝性産熱とを積極的にオフにする機構による.それによって,体温が37℃付近というセットポイントから外れ外気温と同等程度になるという点で,ある意味「変温動物化」しているとも言える.こうした体温が10℃以下の“深い冬眠(深冬眠)”では,動物は無意識かつ完全に不動の状態となり,酸素消費量で計測される代謝量は37℃体温時の数分の1から極端な場合には100分の1程度まで減少する.一方で,最近よく話題になるクマの冬眠は,体温だけで見ると様相が異なっている.ツキノワグマ,ヒグマ,アメリカクロクマなどは巣穴の中で越冬する際に体温が低下するが,その最低体温は30℃を下回ることはない.こうした体温変化幅の違いから,クマの冬眠は,小型哺乳類の冬眠とは異なる,単なる「冬ごもり(巣穴のなかにこもって通常の生活をするニュアンス)」であるという言説もある.しかし生理学的研究により,巣穴で越冬中のクマは心拍数が大幅に減少するとともに代謝量も4分の1以下まで低下することが判明し,代謝抑制を基本とする「冬眠」とみなせる8).つまり,小型冬眠動物と大型冬眠動物とでは,冬眠時の体温低下幅は大きく異なるが,積極的な代謝抑制がその根本にあるという点が共通にある.体温低下幅が大きく異なるのは,体表面積と体重の関係等による熱保持能が異なるためと考えられる.

恒温動物にとって,体温や代謝の恒常性維持は生命の根幹である.一方でそれは,冒頭でも述べた通り,膨大なエネルギー消費のうえに成り立っている.冬眠を可能にするしくみは,一部の特殊な哺乳類のみにみられる特殊能力なのか,それとも多くの哺乳類が備えうる省エネルギー戦略の1つの極限的表現として理解されるものなのか.この問いに,現在の研究は本格的に踏み込みはじめている.

脳中枢神経系による休眠の制御

冬眠・休眠現象の理解への注目度が高まってきた理由の1つが,中枢神経回路の研究の進展である.近年,マウスを用いた飢餓時に誘導される休眠(=飢餓誘導性休眠)の研究から,視床下部周辺の神経細胞集団が,その導入に深くかかわることが示された9)10)山口裕嗣の稿).また上記の発見と時を同じくしてQニューロンをはじめ,視床下部周辺に存在するいくつかの特定の神経細胞群の操作によって,非冬眠動物のマウスだけでなくラットにおいても,冬眠に似た低代謝状態を誘導できることが報告された11)櫻井らの稿).ここで重要なのは,熱放散の制御,熱産生の抑制,行動の変化,心拍の制御などの自律神経機能の再編成といった複数の生理要素が,マウス発生工学によって作出されてきた細胞種特異的操作,さまざまな遺伝子改変マウスというリソースの蓄積,さらに近年急速に進展したアデノ随伴ウイルスをはじめとする遺伝子導入ベクター系などを活用した化学遺伝学・光遺伝学といった神経科学の研究手法の普及と成熟によって,どのような神経回路により統合されるのかを実験的に問えるようになったことである.冬眠研究はこれまで,その実験的アプローチの難しさから自然現象の記載的研究にとどまっていた.しかしながら,その他の多くの生命現象がそうであったのと同様に,長い黎明期から,回路・細胞・分子のレベルでの操作や検証が可能な発展期の入り口に差し掛かっている.

本特集の神経回路に関する稿は,この新しい潮流を背景に,冬眠・休眠の導入,維持,復温という一連の過程をどのように理解すべきかを整理している.視索前野周辺の神経細胞群に着目した近年の知見は,冬眠を単なる体温低下ではなく,脳が主導する統合的な低代謝状態として捉えるための座標軸を与えてくれる.冬眠研究の「入口」はいまや,神経回路の論理としても語れるようになってきたのである.

冬眠・休眠にみられる全身性代謝制御の理解への展開

こうした脳の体温調節中枢による低代謝・低体温誘導の研究は,冬眠・休眠の驚異への1つの大きな入口ではあるが,それがすべてではない.同じように目を見張るのは,その中枢から末梢まで全身組織が示す,代謝抑制そのものである12).長期にわたる,絶食,低体温,不活動の状態.これらは通常であれば,過剰な脂肪分解によるケトン体蓄積や低血糖などの代謝破綻,低体温による臓器障害,筋萎縮などの不具合を引き起こす条件である.にもかかわらず,冬眠動物はこの状況を何週間,あるいは何カ月も乗り切り,春の覚醒後にはふたたび何事もなかったかのように,野山を駆け巡り活動を再開する.ここには,単なる「代謝が落ちた結果」では説明できないしくみがあると考えられる.神経回路による全身制御,筋や臓器の応答,細胞レベルの保護機構,そして基質利用の動的切り替えが組み合わさってはじめて,冬眠・休眠という統合的状態が成立しているはずと考えられる.しかしその実態はいまだ多くが謎に包まれている.

本特集の代謝関連稿は,この点を考えるうえで重要な視座を提供する.まず,冬眠・休眠を全身性の現象として捉えるとき,避けて通れない問題が,エネルギー代謝の再編である.冬眠中,生体は何を燃料として使うのか.どの組織の消費を抑え,どの機能を維持するのか.糖代謝と脂質代謝はどのように切り替わるのか.こうした問いは古くから問われてきたが,いまなお単純には答えられない.なぜなら,冬眠動物の代謝は,前冬眠期,深冬眠期,中途覚醒期といった生理相によって大きく異なり,さらに動物種差も大きいからである13).したがって,糖代謝異常やインスリン抵抗性などの現象を冬眠動物で見出したとしても,それをそのまま病的代謝異常とみなすことはできない.李らの稿は,冬眠に備えて季節性に生じる糖代謝の変化に関する冬眠動物での知見を整理するとともに,これまで切り分けて考えることが難しかった,休眠中の動物における糖代謝状態と,体温がそれに及ぼす影響を切り分けた成果について紹介する14)

もう1つ冬眠に関連して長年興味を惹いてきた問題が,骨格筋である.ヒトでは,加齢,長期臥床,宇宙滞在,不活動などにより筋量と筋力は急速に低下する.一方,冬眠動物の骨格筋は,長期間使われないにもかかわらず,萎縮や機能低下が驚くほど軽い.これはきわめて示唆的である.筋肉の「使わないと衰える」という原則に対し,冬眠動物は例外を提示するからだ.冬眠研究が,サルコペニアや廃用性筋萎縮の理解に新しい道筋を与えると期待される理由でもある.宮﨑の稿は,この“衰えない筋肉”を支える分子・細胞基盤について紹介する15)〜17).タンパク質合成と分解の均衡,エネルギー消費の抑制,ミトコンドリアの機能調整,さらには収縮装置レベルでの効率化など,筋肉は冬眠中にただ静止しているのではなく,消耗を避けながら再活動に備える状態へと再編されることが見えつつある.

さらにその背景には,細胞そのものの低温耐性という,より根源的な問題が横たわっている.一般に哺乳類の細胞は長時間の低温には耐えられない.膜障害,酸化ストレス,ミトコンドリア機能異常,脂質過酸化などを介して容易に傷害されることが知られる.ところが冬眠動物由来の細胞は,こうした低温ストレスに対して高い耐性を示す.つまり長時間の低体温を伴う冬眠は,個体レベルで体温を下げられるだけでなく,細胞自体が低温環境を生き延びる能力を備えていることではじめて成立する17)19)〜22)曽根・山口良文の稿では,脂質過酸化,フェロトーシス関連経路,抗酸化防御,膜脂質組成,ミトコンドリア代謝といった観点から,この細胞保護の基盤を整理している.低温で壊れず,復温後に機能を取り戻せるという性質は,冬眠の可逆性を支える土台であり,その原理を理解することは,移植医療における臓器保存時間の延長や救急医療の現場での低体温障害の予防,低体温療法に応用できる可能性がある.

このように,本特集の各稿は,冬眠・休眠を異なる階層から照らし出す.神経回路研究は,低代謝状態への移行を司る起点に焦点を当てる.糖代謝研究は,組織恒常性と体温との関係性を問う.骨格筋研究は,不活動と低温に耐える組織の設計を示す.低温耐性研究は,低温下でも細胞機能破綻を防ぐ防御機構を明らかにする.これらは個別のトピックではあるが,実際には相互に深く結びついており,冬眠・休眠を成り立たせる1つの生体システムを形づくる11)

おわりに――冬眠研究における今後の展望

冬眠研究がいまおもしろいのは,本稿で紹介するような,現象論の記載から詳細な神経・分子機構に踏み込む研究が,後述する解析技術の進展により可能になったことが最大の理由だが,それにより医学研究への期待も高まってきた点も見逃せない.砂川の稿にあるように,さまざまな手法で人工的に低代謝状態を誘導することで,外傷・虚血などに対する臓器保護作用や,移植臓器保存,筋萎縮予防,宇宙医学といった,医学生物学のさまざまな課題に直接つながると期待される18)23).冬眠・休眠研究は,生理学の辺境にある特殊なテーマではなく,生体制御の限界と可能性を問う最前線になりつつある.

なお最後に,本特集で紹介できたのはそのごく一部であることは述べておく必要がある.冬眠研究は今なお発展途上で,重要な未解決問題が多数存在する.そのほんの一部ではあるが紹介すると,例えば,冬眠の誘導や維持にかかわる物質は何かといった古典的問題から,冬眠の際の生命維持に必要な神経活動はどのようなものなのか,冬眠前後の記憶がどのように保持されるのか,といった神経科学的諸問題,冬眠に備えて大きく変化する体重や食欲・飲水欲などの本能行動がどう制御されるのか,全身代謝抑制を可能とする脳中枢と末梢との全身臓器連関を担う神経および物質的基盤は何か,といった生理学的問題,また低温域における生命活動の実態とは何か,冬眠・休眠の進化的起源と睡眠との関係,といった生物学的諸問題,などがあげられる.こうした興味深い数々の問題が長年謎に包まれてきたが,その解明に向けた萌芽的研究が現れつつある24)〜27).これは先ほど述べた解析技術の進展に負うところが大きい.遺伝子配列解読技術の劇的な進展と,非モデル生物におけるゲノム編集手法や発生工学的手法の開発によって,冬眠動物においても,光遺伝学や化学遺伝学,ゲノムワイドな情報生物学的・生物統計学的アプローチやさまざまなオミクス的アプローチ,などが冬眠研究に適用可能となってきた.

世界的にも冬眠研究への注目度は高まりつつある.その論文数も増加傾向にあるが,他の進展した領域に比べると,まだまだ論文数も研究者数も少ない分野である.しかしそこにチャンスがあると考え,冬眠動物がもつ興味深い性質を,創薬や医療に展開しようという試みも,萌芽的段階ではあるが世界的に展開されている.今後,生成AIなど急速に進展する技術も含めて,多様な技術と専門性を有した研究者が冬眠研究に独自の視点で加わることで,応用面も含めてさらに新たなブレークスルーが生まれることを期待する.

なお日本では現在,まさに今述べたような意図のもと,学術変革領域研究(A)冬眠生物学2.0領域が進行中である.本領域は,休眠は行うが冬眠は行えないマウスでQニューロンを人為的に活性化することで人工的に冬眠様状態をもたらすQIH(Q neuron-induced hypothermic/hypometabolic state)11)28)を活用した研究と,ゲノム改変が現時点では唯一可能な冬眠動物シリアンハムスター29)〜31)を用いた冬眠研究とを両輪としつつ,多様な専門性を有した研究者が協力して冬眠の諸問題の解明に取り組んでいる.まだ公表されていない多数の興味深い研究が進行中であり,今後のさらなる進展にもご期待いただきたい.

冬眠・休眠は,生命が環境に追い込まれたときの消極的な撤退ではなく,生き延び,再び動き出すために全身を組み換える,きわめて能動的で戦略的な生理プログラムである32)〜34).本特集が,その精巧さと普遍性,そして医学生物学的な射程を考える入口となれば幸いである.

文献

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参考図書

  • 「冬眠の生命科学」(山口良文/著),エクスナレッジ,2026

山口良文:高校生時代に読んだ『精神と物質』(立花隆,利根川進/著)をきっかけに生命科学研究に憧れ,京都大学理学部へ.京都大学大学院生命科学研究科修了(1期生).大学院では発生生物学を専攻した.博士(生命科学).岡崎統合バイオサイエンスセンター(現・生命創成探究センター)で発生生物学研究,東京大学大学院薬学系研究科で細胞死研究を行い,JSTさきがけ研究員として冬眠研究を開始.2018年から北海道大学低温科学研究所にて,哺乳類の冬眠を専門に研究する研究室を設立.学術変革領域研究(A)冬眠生物学2.0(’23年度〜)領域代表.

冬眠の定義に「冬」は含まれるか?

冬眠(hibernation)の語源であるラテン語にそもそも冬を越す,という意味が含まれ日本語でも「冬」という語が入っているため,筆者としては「冬」が定義に入るという立場である.なぜこんな当たり前のことを書くのかと訝しがる読者もいるかもしれないが,じつは海外研究者のなかには,hibernationは冬に限らない,と主張する人がいる.筆者の私見では,冬眠はやはり冬の長期にわたる休眠(torpor)に限って使うべきで,単に制御された低代謝状態をあらわすには休眠という単語が適切である.なお休眠が夏季に生じた場合には夏眠(aestivation/estivation)という用語がある.この意味で,いわゆるヒトを冬眠様状態にする人工冬眠も,artificial hibernationという用語より,synthetic torpor(人工休眠)が適切との提言が最近なされている18).(山口良文)

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