新しい骨のバイオサイエンス〜骨研究のHOTSPOTが臨床までまるごとわかる

新しい骨のバイオサイエンス

骨研究のHOTSPOTが臨床までまるごとわかる

  • 米田俊之/著
  • 2002年05月24日発行
  • A5判
  • 158ページ
  • ISBN 978-4-89706-281-5
  • 定価:4,070円(本体3,700円+税)
  • 注文不可
    在庫:なし

骨の構造,代謝の調節機構,代表的な骨疾患である骨粗鬆症の病態・治療に関する,最低限必要な基礎知識+最新のトピックスを網羅! 医・歯・理学部の学生,基礎研究者,臨床医にオススメ! わかりやすい丁寧な記述で教科書にとしても最適です.

目次
○プロローグ
 1 今なぜ骨が危ないのか?
  ●高齢化社会の到来と骨粗鬆症
  ●骨粗鬆症以外の骨の病気も恐ろしい
 2 こんなにたくさんある身近な骨の話
  ●日本人と骨
  ●考古学は骨で発展した
  ●骨は脳,神経,内臓器官の保護者
  ●名探偵は骨から生まれる
  ●なぜ骨がこんなに注目されているのか?

[第1章]骨はどんなふうにできている?
 1 骨の構造を知ろう−骨の組織解剖学
  ●ヒトの骨の分類,数
  ●骨は三重人格
  ●骨の血管と神経−癌の侵入ルートと痛みの伝わるルート
  ●生化学的な骨の中身
 2 骨の分子ワールドをのぞいてみよう−骨の分子生物学
  ●骨を形づくる細胞メンバーたち
 (1)軟骨細胞
  ●身長は軟骨から
  ●死んで骨をつくる成長軟骨
  ●軟骨細胞の運命
  ●軟骨には血管がない?
  ●軟骨細胞の増殖,分化,アポトーシスをコントロールする因子たち
 (2)骨芽細胞
  ●骨形成の主役は骨芽細胞
  ●骨芽細胞はどこにいる?
  ●骨芽細胞はくっつきたがり
  ●骨芽細胞へ分化を促すサイトカインBMP
  ●情報を核に伝える転写因子
  ●未分化間葉系細胞から骨芽細胞への分化を操る転写因子Cbfa1
  ●骨と脂肪の間の秘められた関係
 (3)骨細胞
  ●まだよくわからない骨細胞(オステオサイト)の働き
 (4)破骨細胞
  ●死ぬまで骨を吸収し続ける破骨細胞
  ●破骨細胞はどこにいる?
  ●破骨細胞の唯一の仕事は骨吸収
  ●細胞の外から破骨細胞をコントロールするサイトカイン
  ●マウスの大理石骨病からわかった破骨細胞形成に必須のM-CSF
  ●破骨細胞・骨芽細胞との密着から生まれたRANKL/RANKとOPG
  ●オステオプロテジェリン(OPG)は骨の保護者
  ●破骨細胞をつくるRANKL
  ●RANKLの受容体はRANK
  ●細胞の中で破骨細胞をコントロールする分子
  ●破骨細胞の骨吸収に不可欠な細胞内シグナル分子c-Src
  ●破骨細胞はなぜ融合してから骨を吸収する?
  ●骨に密着しないと骨を吸収できない破骨細胞
  ●2つのステップからなる破骨細胞による骨吸収
  ●ゴミの処理役トランスサイトーシス
  ●とても難しい破骨細胞cell lineの樹立
  ●破骨細胞研究の今後
1 (5)骨基質
  ●骨基質とは?
  ●骨基質の石灰化
 (6)骨髄
  ●骨の内側で起こる血液新生

[第2章]骨はヒトの体でどんな働きをしている?
 1 カルシウム代謝
  ●1番大切なカルシウム代謝
  ●カルシウム調節臓器には何がある?
  ●カルシウム調節ホルモンには何がある?
 2 リモデリング−骨の自分自身の組織維持
  ●サイクルする骨のリモデリング(骨改造現象)
  ●骨を肥沃にしている増殖因子とサイトカイン

[第3章]骨の病気と治療のこれから
 1 骨粗鬆症
  ●骨粗鬆症とは?
  ●骨粗鬆症になる危険因子(リスクファクター)とは?
  ●骨粗鬆症の最大の危険因子はエストロゲン欠乏
  ●エストロゲンのホルモン補充療法と副作用 
  ●男性の骨にもエストロゲンは必要!? 
  ●副作用のないエストロゲン様薬剤(SERM) 
  ●治療が難しいグルココルチコイドホルモンによる骨粗鬆症 
  ●in vivoin vitroとで違う作用を示すグルココルチコイド
   ホルモン 
  ●骨粗鬆症の治療薬
  ●必要なのは骨形成を促進する骨粗鬆症治療薬
  ●実用に向け注目される増殖因子を用いた遺伝子治療
 2 骨パジェット病
  ●骨パジェット病とは?
 3 歯周病
  ●意外と見過ごされている歯周病
  ●生体の過剰反応でおきる歯周病 
  ●歯周病は薬で治せる?
 4 癌の骨
書評・感想

近年、我国でも「骨粗鬆症」とか「慢性関節リウマチ」など骨の病気のことがテレビや新聞で盛んに報じられ、“骨”に対する社会の関心が急激に高まってきたように思われる。これは日本人が永生きするようになって、骨の病気を患う高齢者が増加したためである。“骨”に対する関心の高まりは社会的な理由ばかりではない。今迄骨の研究には全く無関心であった免疫学者や血液学者などの間でも“骨”に対する関心が大変高くなっている。それは特定の遺伝子を欠如させたノックアウトマウスを作成すると、骨組織に異常が認められる例が度々報告されているからである。骨が全く形成されないCbfa-1/Runx2欠損マウス(骨なしネズミ)、骨髄腔が完全に骨で満たされて大理石骨病となるM-CSF欠損マウス、骨を破壊・吸収する破骨細胞はちゃんと居るのに、その機能が全く発現されないSrc欠損マウスなどはすべて血液学者や免疫研究者が発見したものである。これらのノックアウトマウスの研究と高齢社会への急激な移行によって、骨に対する関心は解剖学、生化学、生理学、薬理学、病理学、薬学、農学などの基礎研究の分野にとどまらず、内科(内分泌学、腎臓学、血液学、免疫学)、整形外科、放射線科、婦人科、老人科、小児科、歯科などの臨床各科まで広汎に及んでいる。

米田俊之さんは私が最も敬愛する骨の研究者の一人で、テキサス大学客員教授と大阪大学教授を兼任し、太平洋を毎月往復している超多忙な “Transpacific Professor”である。今回、米田さんが寸暇を割いて「新しい骨のバイオサイエンス」と題する著書を発表した。本書はオリジナルのイラストも楽しく、どの頁をみても永年培ってきた米田さんの学識と才気が溢れている。骨の生理学から骨の病気の発症のメカニズムまで、骨の研究の最新の進歩をカバーして余すところがない。ライフサイエンスの他の領域の研究者は元より、日頃研究に携わっていない方々にも“骨の面白さ、不思議さ”を知っていただくことが出来る恰好の骨の入門書として推薦する次第である。

書評執筆:須田立雄(埼玉医科大学 ゲノム医学研究センター副所長)

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