近年,急性骨髄性白血病AML,骨髄異型性症候群MDSの患者に,高頻度にIDH1およびIDH2の変異があることが判明し注目を集めている.野生型のIDHはisocitrateとα-ketoglutarateの変換を触媒するが,その変異体は2-hydroxyglutarate(2HG)を産生する.2HGは,α-ketoglutarate依存的な酵素活性などを競合的に阻害して,腫瘍化に関与していると考えられている.特に造血器腫瘍では,α-ketoglutarate依存的なTET2の機能が低下したことによるDNAのメチル化制御の異常が白血病化に寄与していると考えられている.