細胞がもっている,細胞内のタンパク質を分解するためのしくみの1つで自食(じしょく)ともよばれる.酵母からヒトに至るまでの真核生物にみられる機構であり,細胞内での異常なタンパク質の蓄積を防いだり,過剰にタンパク質合成したときや栄養環境が悪化したときにタンパク質のリサイクルを行ったり,細胞質内に侵入した病原微生物を排除することで生体の恒常性維持に関与している.このほか,個体発生の過程でのプログラム細胞死や,神経変性疾患の発症,細胞のがん化抑制にも関与することが知られている.
近年,大腸がん細胞においても生存にオートファジーが必須であることがわかってきている.