Vol.2 英文構造の特徴はこれだ!! No.3 ミステリアスな副詞句! [超基本の英文法-英語の語順に親しむ]

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Vol.2 英文構造の特徴はこれだ!!

No.3 ミステリアスな副詞句!

前項で述べた英文を構成する4つの要素のうち,使い方が一番難しいのは副詞(相当語句)であろう.特に,副詞句は攻略すべき最大のポイントと言ってよい.副詞句について述べる前に、まずは副詞,副詞句,副詞節についてまとめておこう.副詞は,動詞,形容詞,副詞あるいは文全体を修飾し,修飾される語の前に置かれることが多い.ただし,名詞を修飾することはない.一方,副詞句は,動詞,分詞,形容詞を後ろから修飾する.副詞節は,複文の従属節としてのみ用いられる.また副詞,副詞句,副詞節は,既に述べたイントロとしても用いられることも覚えておこう.ここでは、これらの中から副詞句について取り上げる.

i) 動詞を説明する副詞句が基本形

第1文型(S+V)の文や第3文型の受動態の文では,動詞(過去分詞)の直後に前置詞で始まる副詞句(前置詞句)が置かれることが多い(図1-⑤).このような副詞句は,5文型の文の構成要素から外れるので軽視しがちであるが,極めて重要な要素である.自動詞+副詞句例文9)と受動態(過去分詞)+副詞句例文10)の文例を以下に示す.

<例文9:自動詞+副詞句(前置詞句)>

Malignant lung tumors commonly arise from the respiratory epithelium.

(悪性の肺腫瘍は,一般に呼吸上皮から生じる

<例文10:受動態+副詞句(前置詞句)>

Molecular interactions are required for normal signal transduction across the lipid bilayer.

(分子の相互作用が,脂質二重層を越える正常なシグナル伝達のために必要とされる

上の例文のいずれの場合も,副詞句(前置詞句)なしには文が成立しない.このように副詞句は,文の構成上きわめて重要な役割を果たす.

副詞句は必ずしも動詞の直後にあるわけではない.第2文型(S+V+C)や第3文型(S+V+O)の文では,副詞句は補語や目的語の後に来るので注意しよう.また,短い副詞句が長い補語や目的語の前に挿入されることもまれにある.

副詞句の先頭に使われている前置詞は、後ろの名詞と前の動詞との関係を明らかにするつなぎの語である.自動詞+前置詞+名詞受動態+前置詞+名詞の形は,自動詞+名詞(補語)や他動詞+名詞(目的語)に比べて,より動詞との関係が明確であるように思える.このことは,動詞+前置詞のようなスタイルが論文で好まれる理由の一つであろう.

副詞句の先頭の前置詞は前の語との結び付きの方が強いので,動詞+前置詞の組合せをセットで覚えておくとよい.よく使われる自動詞+前置詞および過去分詞+前置詞の例を表2-2表2-3に示す。

act as~~として働く
arise from~~から生じる
differ from~~と異なる
participate in~~参加する
differentiate into~~に分化する
consist of~~からなる
focus on~~に焦点を当てる
contribute to~~に寄与する
respond to~~に反応する
interact with~~と相互作用する
interfere with~~に干渉する

表2-2. よく使われる自動詞+前置詞の例

regarded as~~であるとみなされる
mediated by~~によって仲介される
followed by~~に続く
required for~~に必要とされる
used for~~のために使われる
obtained from~~から得られる
implicated in~~に関与する
based on~~に基づいた
compared to~~と比較される
compared with~~と比較される
correlated with~~と相関する

表2-3. よく使われる過去分詞+前置詞の例

ii) 動詞が分詞になっても使い方は同じ(分詞を説明する副詞句)

品詞としての動詞は,単に動詞だけでなく,分詞として形容詞句や分詞構文を導く.このような分詞の後に続く前置詞句の使い方は,上記の動詞の場合とほとんど同じである(例文11,例文12).

<例文11:現在分詞+副詞句 = 形容詞句>

The downstream events leading to retinal damage are poorly understood.

網膜障害につながる下流の現象は,あまり理解されていない)

<例文12:過去分詞+副詞句 = 形容詞句>

This protein product expressed on the surface of tumor cells structurally appears to be a hormone receptor analogous to the epidermal growth factor receptor.

腫瘍細胞の表面で発現されるこのタンパク質産物は,構造的に上皮増殖因子受容体に類似するホルモン受容体であると思われる)

上の2つの例文のように,副詞句は前の現在分詞や過去分詞を修飾することがあるが、さらに,その現在分詞や過去分詞は直前の名詞を修飾する。従って,ここの副詞句は分詞と合わせて名詞を修飾する形容詞句として機能することも理解しておこう分詞+副詞句 = 形容詞句).

iii) 副詞句を伴う形容詞

下の<例文13>のように,文の構成要素の補語(C)となる形容詞は,しばしば後ろに副詞句を伴う

<例文13:形容詞+副詞句>

The residue was found to be important for nuclear localization and DNA binding.

(その残基は,核局在化およびDNA結合のために重要であることが見つけられた)

また,例文11例文12分詞の場合と同様に,形容詞の前に名詞がある場合には,形容詞+副詞句で,名詞を修飾する形容詞句を構成する(形容詞+副詞句 = 形容詞句).次の文のような場合である(例文14).

<例文14:名詞+形容詞+副詞句 =名詞+形容詞句>

Severe developmental abnormalities have been reported in mice homozygous for this enzyme deficiency.

(重篤な発生異常が,この酵素欠損症に対してホモ接合性であるマウスにおいて報告されている)

このようなよく使われる形容詞+前置詞の例を表2-4に示す。以上の説明以外に、文全体を修飾する副詞句が文頭でイントロとして使われることは既に述べた。

表2-2. よく使われる自動詞+前置詞の例

responsible for~~に対して責任のある
essential for~~のために必須の
homozygous for~~に対してホモ接合性である
distinct from~~と明らかに異なる
different from~~と異なる
independent of~~と関係ない/~に依存しない
dependent on~~に依存する
similar to~~に類似している
sensitive to~~に感受性の
consistent with~~と一致する

表2-4. よく使われる形容詞+前置詞の例

最後に、形容詞句と副詞句の違いについて確認しておこう。形容詞句は後から名詞を修飾し、副詞句は、動詞、形容詞あるいは文全体を修飾する。副詞句は多様であるので、前に修飾する名詞があれば形容詞句、それ以外なら副詞句と覚えれば簡単であろう。

<ここがポイント>

  • 動詞,分詞,形容詞に続く前置詞は,前の語を説明する副詞句を導く.副詞句は5文型の構成要素ではないが,マスターすべき非常に重要なポイントである.

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プロフィール

河本 健(Takeshi Kawamoto)
広島大学大学院医歯薬学総合研究科助教.広島大学歯学部卒業,大阪大学大学院医学研究科博士課程修了,医学博士.高知医科大学助手,広島大学助手,講師などを経て現職.専門は,口腔生化学・分子生物学.概日時計の分子機構,間葉系幹細胞の再生医療への応用などを研究している.大学院生対象の論文英語の講義も担当している.

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