News & Hot Paper Digest
UJAだより

研究者のスタートアップ起業を支える

UJA/順天堂大学 金井晶子,UJA/Memorial Sloan Kettering Cancer Center 丹野修宏

究成果を社会に還元することは,研究者にとって重要な役割の1つです.そんななか近年,研究者のキャリアパスにおいて,起業が重要な選択肢の1つとして注目されています.起業をすると,多様な人的資本や物的資金の調達手段を得るだけでなく,アイデアを社会実装する過程で,実社会からフィードバックを受ける機会が生まれます.アカデミアのなかで見過ごされがちな実用的な研究課題の解決につながり,応用研究にとどまらない,革新的なイノベーションの創出につながることが期待されます.さらに,研究者自身の社会実装を視野に入れた事業視点が求められるため,実社会のニーズに即した研究のトレーニングの場ともなります.欧米では,研究者がスタートアップを立ち上げ,資金調達する動きが活発ですが,日本はまだ十分に浸透していません.これは日本にプレーヤーが少なく,企業,投資家,研究機関,支援機関(政府・アクセラレーターなど)が連携して成長を促す環境(エコシステム)が整っていないことが要因の1つと考えられます.

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DOI:10.18958/7721-00004-0001913-00

2025年5月号掲載(4/18更新)

本記事の掲載号

実験医学 2025年5月号 Vol.43 No.8
特集1:新・がん免疫サイクル 局所免疫応答の鍵を握るTLSの正体/特集2:簡便化と高速化が進む シングルセルRNA-seq技術

鳥越俊彦,笹川洋平/編/企画
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