2018年2月号掲載・2025年10月1日公開
グラム染色の重要性は理解しながらも, 実際に検査室へ足を運び自身で染色, 検鏡している研修医は少ないのではないでしょうか.それではいけません.肺炎の起因菌をその場で教えてくれる検査はグラム染色以外にありません.そしてグラム染色は慣れれば採血の結果を待っている間に行うことができる検査です.なんとなく手間がかかり大変だと思っているかもしれませんがそうではないのです.
グラム染色をなかなか行おうと思わない原因はいくつかあると思いますが,最も影響するのは検査結果が自身の技量に依存することではないでしょうか.「グラム染色をやったところで自信をもって起因菌を判断できない…ならばやる意味があるのか…」.このような悩みは超音波などにおいてもいえることだと思います.本当はやるべきだけれども自信がない…,そんなときに力になってくれるのが検査室の技師さんたちです.
グラム染色であれば,彼らの目にかかれば,顕微鏡を覗いた瞬間に起因菌が判明するでしょう.まずは足を運び,典型的な肺炎球菌やインフルエンザ桿菌の喀痰グラム染色所見を見せてもらいながら,コミュニケーションをはかりましょう.仲よくなるといろいろと+αの情報を教えてくれるなどよいことずくめです.細菌検査室へ足を運んだことのない研修医の皆さん,まずは検査室の扉をノックするところからはじめましょう!