2018年2月号掲載・2025年11月12日公開
患者に対して,抗菌薬,酸素投与以外に必要なことは何でしょうか? 誤嚥性肺炎やうっ血性心不全はくり返す病気です.今回の入院加療で退院可能となったとしても,今後の再発予防を行わなければ必ずと言っていいほど再発し,再び出会うことになるでしょう.そうならないためにも,入院中に治療と同時に予防を行うことが大切です.
すぐに実施できる予防策として,口腔ケア,日中の起床・離床,薬剤調整があげられます.ベッドに臥床がちとなると,不顕性誤嚥が起こりやすく,また筋力の低下から入院期間も延びてしまいます.使える臓器は使うという原則を意識し,日中はなるべく起床(ヘッドアップ)し,可能な限り離床をはかり,私たち同様,歯をきちんと磨きケアしていきましょう.ベンゾジアゼピン系薬などの薬剤も誤嚥性肺炎の要因となるため,使用している薬剤も今一度見直しましょう.
不穏だからと抑制して,食事ストップして…といった対応では,いつまで経っても患者さんはよくなりません.
引用文献
1) 「あたりまえのことをあたりまえに 救急外来 診療の原則集」(坂本 壮/著),シーニュ,2017