「救急外来ドリル」掲載・2026年8月5日公開

皆さんこんな経験はないでしょうか?救急外来を受診した吐血患者に対して緊急内視鏡,胆管炎に対して内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)を施行中に状態が悪化,酸素化が低下し気管挿管が必要となり慌てて救急外来に患者さんが帰ってきてワチャワチャ….

何が問題であったのでしょうか.明らかに酸素化や換気が悪かったり,熱傷などで気道狭窄を認める場合には誰もが気管挿管を考えると思うのですが,ショック患者に対して気管挿管の適応をきちんと評価しているでしょうか.ショック患者では必ず気管挿管の必要性を意識しながら対応することが大切です.

緊急内視鏡やERCPはただでさえ患者にとっては苦痛の検査です.出血性ショックや敗血症性ショックの状態の患者では血行動態が不安定であり,脳血流の低下がゆえに不穏状態,ときには痙攣することも珍しくありません.意識障害を伴えば誤嚥のリスクも高くなり,呼吸状態に大きく影響します.処置が苦しいのだろうなと考え鎮静薬を使用するとさらに状態が悪化することは想像がつくでしょう.確実な気道確保目的に挿管管理とし,止血など根本的な治療介入が完了したらすみやかに抜管すればよいのです.

緊急内視鏡やERCPを要するショック患者全員に気管挿管を施す必要があるわけではありませんが,挿管しないのであれば必ず気道を管理する人員を確保しましょう.処置に集中して気づいたら酸素化低下,意識も低下…では困りますよ.


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