[巻頭インタビュー]あの先生に会いたい!vol.1
患者さんにも家族にも文献にも“愛”が大事なんです!

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レジデントノートインタビューコーナー『あの先生に会いたい!』では,さまざまなフィールドでご活躍中の先生に,医師として歩んでこられた道のりや,現在,そして将来のこと,さらに私生活とのバランスの取り方などについて語っていただきます.また番外編では,本誌に収まりきらなかった内容をホームページ限定で紹介していきます.

番外編3 -林先生のロールモデル-

林先生:ロールモデルは単行本「ステップ ビヨンドレジデント」を買っていただければ,表表紙の裏には書いてありますので.と思いましたが,ロールモデルではないですね.彼らはメンターです.ロールモデルというのは,こういう診療スタイルを真似したいとか,こういう態度を真似したいとか,お手本みたいなものですよね.だから当然,平林先生はだれか初期研修医のロールモデルになれるわけです.

 ロールモデルというのはどういう人が魅力的なのか知っていますか?初期研修医とか若い研修医がロールモデルにする先生の特徴ですね.どんな医者がロールモデルになると思いますか?患者さんに対するコミュニケーションスキルをもっている人,それから臨床能力が高い人.実は,これがロールモデルの大事な用件なのですね.だから偉そうに後ろから口だけ出して,患者さんを診るところを見せない,というのはロールモデルになりません.どんなに知識をひけらかせても,患者さんを診たときに,それだけの情報をきちんと取ったりとか,患者さんが安心して話をできる,というのでないと駄目で,さらに難しい疾患を知っていても「こんなのどうせ風邪だよ,なんでも出しときゃなんとかなる」なんていうのは駄目なのですね.学会発表とか論文の数とか社会的な地位とかは全然関係ないというデータもあります.いわゆる偉い人というのは基本的にはロールモデルの用件ではないということなのです.では「メンターとは一体なんぞや?」と言ったら,メンターは,もう1つ上の存在で,研修医なら研修医と一緒に伴走してくれる人,コーチングしてくれる人,その人の能力を引きだしてくれる人,ただのロールモデルではなくて,いろいろな質問を通して研修医を伸ばしてくれる,指導する,というのがメンターであって….

平林先生:教育者ですか?

林先生:そうですね.それがメンターなんですよ.

Profile

林先生
林 寛之(Hiroyuki Hayashi)
福井県立病院救命救急センター
熱心でガッツのある研修医に囲まれて幸せな毎日です.あなた達のおかげで私も勉強できるんだなぁって.

平林先生
平林靖子(Yasuko Hirabayashi)
福井県立病院救命救急センター
林先生のなかには,患者さん・研修医・家族への愛情と情熱がぎっしりつまっていることがわかりました.私も1歩1歩がんばりたいです.

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