「PT正常APTT延長(後編)どう解釈するの?」|臨床検査専門医がコッソリ教える… 検査のTips!

PT正常APTT延長(後編)どう解釈するの?

西川真子

研修医 臨くん

先生,前回「PT正常APTT延長(前編)何を確認,検査したらいいの?」はPT正常でAPTTが単独で延長している後天性血友病の症例を学びましたが,また同じような症例がきました().やっぱりAPTTだけ延長していて凝固因子インヒビターが陽性みたいなんです!
結果の解釈が難しい症例だね.クロスミキシング試験はやってみたかな.凝固因子インヒビターの検査方法と解釈について確認しよう.

けんさん先生

解 説

APTT凝固一段法による凝固因子活性,凝固因子インヒビターの検査方法は?

凝固因子活性,凝固因子インヒビターはAPTTまたはPTを用いた凝固一段法で測定されることが多いんだ.凝固因子活性については,まず正常血漿をさまざまな割合に希釈した検体に,Ⅷ因子欠乏血漿を混ぜてAPTTを測定して検量線(図1)を作成する.その後,患者血漿とⅧ因子欠乏血漿を混ぜてAPTTを測定し検量線にあてはめると,患者血漿のⅧ因子活性がわかるんだ.これは,凝固因子欠乏検体のAPTTが欠乏した凝固因子活性に依存して延長することを利用しているんだね.

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