「ALT>30 U/Lに気をつけて!」|臨床検査専門医がコッソリ教える… 検査のTips!

ALT>30 U/Lに気をつけて!

後藤和人

研修医 臨くん

「奈良宣言2023」でALT>30 U/L以上はかかりつけ医の受診を勧められていると聞きました.この後の検査はどのように進めたらよいのですか?
そういえば連載第68回(2022年11月号)で検診の肝機能異常の検査を説明したけど,少し変化しているようだね.かかりつけ医で注意すべき内容を説明しよう!

けんさん先生

解 説

「奈良宣言2023」とは

最近はウイルス性肝疾患による死亡者が減少傾向だけど,一方で生活習慣病を基盤とするいわゆる脂肪肝〔非アルコール性脂肪肝炎(nonalcoholic steatohepatitis:NASH)やアルコール性肝疾患〕を基礎疾患とする肝疾患が年々増加しているよ.そこで2023年の第59回日本肝臓学会総会で「肝疾患の早期発見・早期治療のきっかけ」としてALT>30 U/Lを1つの目安とすることが提唱されたんだ(奈良宣言2023).健康診断等でALT>30 U/Lであった場合,まずかかりつけ医等を受診し検査が行われ,必要があれば専門医を受診し精密検査を受けることにより,肝疾患の早期発見・早期治療につなげることを目的としているよ.

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