診療所実習・研修をのぞいてみよう(企画:PCFMネット)

第2回 診療所実習・研修のコツ①

  • 吉村 学(地域医療振興協会 揖斐郡北西部地域医療センター)

医学生が診療所に実習に来たときに指導医としてどう考えたらよいかについては文献1に「15のコツ」として紹介した.今回は実際に診療所に来たときから帰るまでを中継しながら,どんなことを医学生はやっているのかを実習・研修のコツとして紹介する.

研修医へのフィードバックの場面

図 3つのレンズ 文献2より転載.

スタッフの前で挨拶
これは最も重要な時間帯である.プロフィール,これまでの実習の経験,今回の目標について1分で自己紹介.そしてニックネームを確認する.ニックネームを使うことで緊張がほぐれ,チームの一員になるよい流れができる.
外来診療に挑戦
見学は極力排除して,何かしらのタスク(作業課題)をこなす.もちろん許可をいただいた患者さんにお願いする.制限時間を設定,初診が10分,再診が5分程度.時間がきたら指導医にプレゼンする.何を考えたか,自分なりの意見を出してもらう.
指導医と一緒に診察,説明
指導医と一緒に診察,所見を確認してアセスメントをシェアする.最終的な結論づけと決断は指導医が行うが,学生もずっと参画する.
「手紙」を作成して患者さんに手渡す
どんな患者さんであっても学生が担当した場合には,本日の所見と治療内容,生活指導についてわかりやすい言葉で伝えるべく「手紙」を作成してもらう.制限時間5分ほどでパソコンを使い作成.指導医または研修医に確認してもらい手直しする.OKが出たら印刷して患者さんのところに行き実際に手渡しする.たいていの場合感謝されるので,プチ達成感を味わうことができる.
帰宅付添実習を実施
近所から通院している患者さんで許可が出れば,診療所から自宅まで帰るのを一緒に付き添う.白衣を脱いで行う.調剤薬局に行ったり,少し買い物したりしながら家路に同行して話を聞く.本音が聞けることが多い.
往診の合間に置き去り実習
午後には訪問診療に出かけるが,数件診る途中で特定の患者さん宅に学生を置き去りにして世間話を1〜2時間してもらう実習である.
1日の振り返り
一緒に実習をしている他の学生と振り返りシートに記入してお互いにシェアする時間(15〜20分)である.
最終日に振り返り勉強会
倍率の違う3つのレンズ()で家庭医療の原理について振り返る勉強会(30〜45分)を実施.実際に経験したことと概念をつなぐ時間を必ずつくる.
最終日昼食時にまとめの発表
院内放送で告知してもらい,パワーポイントを使っての発表.10分程度.参加したスタッフからコメントをもらう.
実習生アルバムに写真とコメント
実習生の写真を撮り,その場で印刷,感想を書いてもらう.アルバムに収載.手づくりの実習修了証(A4)を作成して手渡す.お礼の挨拶をしてスタッフと握手かハグをして終了.

診療所実習では,とにかく実際の経験を積む「ムチャぶり」を行い,その後に振り返るスタイルで学生に接してほしい.

文 献

  1. 吉村 学:臨床の軸-医師患者関係の中に学生さんを巻き込むには? 日本プライマリ・ケア連合学会誌,36:353-354,2013 https://www.jstage.jst.go.jp/article/generalist/36/4/36_353/_pdf
  2. 吉村 学:へき地こそ最高の医学教育の場.レジデントノート,11:1597-1602,2010
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