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P★C SONIC~関西若手ジェネラリスト・フェスティバル~を終えて
長野広之(天理よろづ相談所病院 内科ローテーター)

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2013年6月2日,私達はキャンパスプラザ京都にて『P☆C SONIC~関西若手ジェネラリスト・フェスティバル~』を開催した.この会の目的は「ジェネラリストの存在価値を学生や若手医師に認識してもらい,明日のジェネラリストを増やす」というものである.そのためにジェネラリストである家庭医と総合内科医の交流の場をつくり,学生や若手医師に対してキャリアパスを可視化させるべくさまざまな企画を行った.

学生からベテラン医師まで,“ジェネラリスト”を考える

当日は学生から卒後20年目以上の医師までの多彩な参加者が82名集まった.第一部では『Generalist ★ Collection 2013 in Kansai』を行った.ここではパネルディスカッションを行い,診療所/小規模病院/大規模病院/大学/行政の場でジェネラリストとして働いている5人のパネリスト達からキャリアと現在何に興味をもっているのかが紹介された.参加者はパネリスト達の仕事や学んでいる学問分野を知ることで自分が抱いているジェネラリストのイメージを具体化し,おのおのに自分のロールモデルを見つけたようだ.

幅広い年代の参加者でジェネラリストについて考えた.

ワークショップ『Generalist Hunter!』ではジェネラリストがどのような学問分野(例えば感染症学,公衆衛生学,医学教育学,予防医学など)に特に関心(スペシャルインタレスト)をもつのかを明らかにすることを目的とした.具体的にはジェネラリストがもつスペシャルインタレストを,設定ごとに用紙上に表記していき,家庭医と総合内科医で「共通点」と「特徴づけるもの」に分類することで日本におけるジェネラリストの仕事を整理した.参加者はジェネラリストのもつスペシャルインタレストの豊富さを実感し,また家庭医と総合内科医が非常に似通ったスペシャルインタレストを共有しており,両者が結びついていることを可視化できた.このワークショップによってジェネラリストの仕事の内容と多様性が感覚的につかめたと感じている.

基調講演では洛和会 総長の松村理司先生に「超高齢社会のジェネラリストは clinician-educatorで!」という題名で講演をしていただいた.ジェネラリスト/教育者として歩んでこられた松村先生の歴史を知ることができ,さらにプライマリ・ケアの変遷とこれからジェネラリストが必要とされる理由について理解することができたのではないだろうか.

フェスティバル閉幕〜明日のジェネラリストを増やす

参加者からは「学生/家庭医/総合内科医の交流の場は貴重だった」や「ジェネラリストをめざすうえで何を学べばいいのかの方針がわかった」などの感想が得られた.それらはわれわれがこの企画によってめざしてきたものであり,今後も「明日のジェネラリストを増やす」ことに貢献できればと思う.

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