総合診療はおもしろい!

専門医部会フォーラム
藤谷直明(日本プライマリ・ケア連合学会専門医部会若手医師部門,大分大学医学部附属病院総合診療・総合内科学講座)

専門医部会フォーラム

2025年ごろの医療はどうなっているでしょうか? 少子高齢化が進み,疾患構造が変化します.医療は治療だけでなく,治療後はどう生活するのか,どこまで治療するのか,患者さんの背景や地域資源なども考えなければならなくなります.そのような時代背景もあり,患者さんの病気だけでなく,価値観,背景も踏まえて,患者さんに合う医療を考えられる総合診療が新専門医制度で,新たな基本専門領域となりました.しかし,まだまだ総合診療は十分に普及しているとは言い難く,住民や他科の医師,他職種と連携して時代の変化に耐えうる医療体制をつくるためには,総合診療医がどんなもので,どう役に立つかを知ってもらい,協働していく必要があります.

そこで2017年の専門医部会フォーラムは「総合診療医のコンピテンシー(注1)をどう伝えるか」をテーマに開催されました.専門医部会フォーラムは日本プライマリ・ケア連合学会が主催し,家庭医療専門医を主な対象として年1回開催されています.テーマと同タイトルのメイン企画のほかに,がん診療,教育,研究,キャリア,ノンテクニカルスキルと専門医になってからさらにもう一歩進むための企画が用意されていました.メイン企画では,シンポジストがどうやって総合診療を伝え,連携してきたかが語られました.ここから私が学んだことは,① 言葉だけでなく実践・実績が重要であること,② 相手に合わせた情報を提供することです.①は言葉の通り,言葉以上に実際の仕事がみられており,そこで姿勢を示し続けることが重要です.②は伝える相手が住民なのか,学生なのか,他科の医師なのか,看護師なのか,事務長や院長なのかによって,興味のある情報は異なり,相手に合わせた情報提供を行う必要があります.これらの学びをもとに,私自身も現場で総合診療を伝え,よりよい医療を創っていきたいと思います.

(注1:コンピテンシーとはその業界で高い業績をあげる人に共通する行動特性のことであり,総合診療専門医にも習得すべき7つの資質・能力として定義されています)

新専門医制度にむけて

いよいよ2018年度から新専門医制度が開始します.初期研修医の先生方は変化に巻き込まれ,不安な気持ちもあるのではないでしょうか.

専門医部会フォーラム2017集合写真

そんな折,専門医部会フォーラムにあわせて日本プライマリ・ケア連合学会の理事長らと若手家庭医療専攻医・専門医との意見交換会が開催され,私も若手の一人として参加してきました.若手の現状やニーズを伝えるとともに,専攻医の成長のためにいかに学会がサポートできるか,また制度の変化によって困る専攻医が生じる可能性について話し合いました.実際に学会が行っている専攻医のサポートとしては,少し上の先輩医師による学習支援や,研修に困った際の相談窓口などがあり,若手が企画運営に参加しているものも多くあります.年の近い若手も協力することで,総合診療の研修は毎年よりよいものになっていっていると感じています.

質の高い総合診療医になるためには,各現場ごとだけでなく,地方単位,全国単位での学びの場やサポートが重要です.もちろん,われわれ,専門医部会若手医師部門も少し上の先輩として新たな専攻医をサポートしていきます.この道を皆さんと一緒に歩める日を楽しみにしております.

明日からの日常診療の質がかわる21の新常識を身につける!

レジデントノート増刊 Vol.22 No.8
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仲里信彦/編
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