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三次リンパ組織―末梢組織における慢性炎症病変

Tertiary lymphoid structures – chronic inflammatory lesion in peripheral tissues
谷口圭祐,好川貴久,柳田素子
Keisuke Taniguchi1)/Takahisa Yoshikawa1)/Motoko Yanagita1)2):Department of Nephrology, Graduate School of Medicine, Kyoto University1)/Institute for the Advanced Study of Human Biology(ASHBi),Kyoto University2)(京都大学大学院医学研究科腎臓内科学1)/京都大学高等研究院ヒト生物学高等研究拠点2)
10.18958/7381-00001-0001087-00

三次リンパ組織は慢性炎症下の組織で形成される異所性のリンパ組織で,自己免疫疾患や移植後臓器においては自己抗体や炎症性サイトカインの産生によって病態を悪化させ,一方でがんや感染症においては局所免疫の活性化や抗体産生を介して腫瘍免疫,抗原除去を促進し,予後良好の指標とされる.三次リンパ組織は腎臓をはじめ加齢個体の末梢組織にも形成され,炎症の遷延と組織修復不全をもたらす.三次リンパ組織はinflammagingの表現型の1つと考えられ,そのメカニズムの解明と治療への応用が期待される.

三次リンパ組織,慢性腎臓病,免疫老化,慢性炎症

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