スマホで読める実験医学
550円

スペルミジンは脂肪酸酸化酵素に結合し老化による腫瘍免疫の低下を回復させる

Spermidine activates mitochondrial trifunctional protein and improves antitumor immunity in mice
Al-Habsi M, et al:Science, 378:eabj3510, 2022
茶本健司
Kenji Chamoto:Division of Immunology and Genomic Medicine, Center for Cancer Immunotherapy and Immunobiology, Graduate School of Medicine, Kyoto University(京都大学大学院医学研究科附属がん免疫総合研究センター免疫ゲノム医学)
10.18958/7239-00003-0000471-00

われわれは抗老化作用を示すスペルミジンが脂肪酸酸化を担うミトコンドリアタンパク質(mitochondrial trifunctional protein,MTP)に結合し,脂肪酸酸化を亢進させることを発見した.老化T細胞ではスペルミジン濃度が低下しており,脂肪酸酸化能力が減弱していた.PD-1阻害抗体を用いたがん免疫治療モデルにてスペルミジンを併用すると老化マウスのT細胞機能が回復し,老化により減弱した抗腫瘍効果が回復した.

この記事は有料記事です

(残り約4,700文字)

  • 【スマホで読める実験医学】スペルミジンは脂肪酸酸化酵素に結合し老化による腫瘍免疫の低下を回復させる
    550円

関連書籍

実験医学 2023年5月号

Aging Clock 生物学的年齢を測る

加齢性疾患を予測・予防し、健康寿命の延伸へ

  • 早野元詞,寺尾知可史/企画
  • 定価:2,530円(本体2,300円+税)