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鏡像生命科学はどこまで来ているのか?

Mirror biology: Where does it stand today?
10.18958/7929-00036-0006326-00
木賀大介,四ノ宮成祥
Daisuke Kiga1)/Nariyoshi Shinomiya2):早稲田大学電気・情報生命工学科1)/国立健康危機管理研究機構国立感染症研究所2)

近年,生体高分子を組み合わせて人工細胞を具現化する合成生物学の延長として,鏡像の分子・細胞系を設計・制御する「ミラーバイオロジー」が急速に現実味を帯びている.鏡像のペプチドや核酸は生体内安定性や免疫回避性を強みに創薬へ進み,鏡像酵素の合成や鏡像翻訳の報告が相次いでいる.一方で,これらの鏡像分子・生命の特徴は翻って生体・環境リスクにもなりうるため,研究規制や責任ある開発の枠組みづくりも論点となっている.本特集では,鏡像生体高分子の人工合成の基盤技術から,医薬への応用最前線までを第一線の研究者が俯瞰し,加えてリスク評価,規制・倫理・社会受容の議論を同じ誌面上で接続する.分野横断の読者が,10年先を見据えた“使える知”としてミラーバイオロジーの本質と限界を掴み,自身の研究開発に反映できる視座を提供することを狙いとしている.

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