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【スマホで読める実験医学】腫瘍免疫寛容の生態系を解く:可塑的な抑制機構と治療標的
550円
腫瘍免疫寛容の概念は,免疫監視からがん免疫編集,免疫チェックポイントへと発展し,現在では腫瘍組織の抗原性低下(不可視化),T細胞機能不全,制御性T細胞やマクロファージなどに代表される抑制性免疫細胞,間質を構成する線維芽細胞,臓器や組織特有の代謝環境が協調して成立する動的な状態として理解されている.近年のシングルセル解析の技術向上に伴い,従来集団として扱われていたT細胞,樹状細胞,マクロファージ,好中球,B細胞などには複数のサブセットや分化・活性化状態が存在し,その機能が局在や治療経過により時間的・空間的に異なることが明らかとなった.本稿では腫瘍免疫寛容を自己抗原に対する免疫寛容に限定せず,腫瘍細胞,免疫細胞,間質細胞,代謝環境が相互に作用しながら抗腫瘍免疫を抑制する「生態系(エコシステム)」として捉える.その成立機序を,がん免疫編集の概念から近年のシングルセル・空間解析によって明らかとなった細胞状態と相互作用まで概説し,この免疫抑制性の生態系を再構築あるいは解除する治療戦略の可能性について議論する.
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