実験医学 2007年5月号 Vol.25 No.8

多彩な生命現象のkey player

NF-κB

翻訳後修飾による活性化機構から,細胞死・器官形成・疾患への関与まで

  • 中野裕康,井上純一郎/企画
  • 2007年04月20日発行
  • B5判
  • 121ページ
  • ISBN 978-4-7581-0023-6
  • 定価:1,800円+税
  • 在庫:なし
    PDF版:あり
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《企画者のことば》NF-κBについては毎年膨大な数の論文が発表されているが,逆にそのことがNF-κBを専門に研究していない人たちにとって,この分野の全体像およびその問題点を的確に把握することを困難にしていると考えられる.本特集は,最新の研究から明らかにされてきたNF-κBの活性化のメカニズムとその多彩な機能について詳述したものであり,現時点におけるNF-κB研究の全体像および今後の方向性に関する的確な理解を促すものである.

※本書の正誤表はこちらをご参照下さい.

転写因子NF-κBは免疫応答のみならず,細胞死,器官形成など多様な生命現象に関与しています.そのユビキチン化やSUMO化による活性制御機構から炎症・発癌などの疾患への関与まで,最新知見をご紹介します.

目次

特集

多彩な生命現象のkey player
NF-κB
翻訳後修飾による活性化機構から,細胞死・器官形成・疾患への関与まで
企画/中野裕康/井上純一郎
概論〜NF-κBの多彩な機能とその活性化のメカニズム【中野裕康】
NF-κBについては毎年膨大な数の論文が発表されているが,逆にそのことがNF-κBを専門に研究していない人たちにとって,この分野の全体像およびその問題点を的確に把握することを困難にしていると考えられる.本特集は,最新の研究から明らかにされてきたNF-κBの活性化のメカニズムとその多彩な機能について詳述したものであり,現時点におけるNF-κB研究の全体像および今後の方向性に関する的確な理解を促すものである.
NF-κBの活性化におけるユビキチン化の役割【金山敦宏】
NF-κBは,免疫応答や発癌などに深くかかわっている転写因子である.ユビキチンのNF-κBへの関与は,阻害因子IκBαのユビキチン・プロテアソーム依存性分解の発見にはじまった.その後,「ユビキチン化=分解シグナル」という概念を覆すように,タンパク質分解を誘導しないタイプのユビキチン鎖によってNF-κBの活性化が制御されていることがわかってきた.本稿ではこの発見の経緯とメカニズムの解析,多様な活性化経路におけるユビキチンの役割,脱ユビキチン化酵素による負の制御へと話を展開する.
免疫応答とリンパ組織構築の制御におけるTRAF6の役割【秋山泰身/井上純一郎】
免疫応答やリンパ組織構築においてNF-κBの活性化は必須である.しかしながらその活性化の制御メカニズムについては不明な点が多い.TRAF6(TNF receptor associated factor 6)はTNFスーパーファミリーやToll-like/IL-1レセプターファミリーからのシグナルを伝達して,NF-κBやAP-1を活性化する因子である.TRAF6欠損マウスの解析からTRAF6が自然免疫,骨免疫,リンパ組織構築,自己免疫寛容などさまざまな現象に不可欠であることが明らかとなってきた.
DNA損傷ストレスによるNF-κB活性化のメカニズム【宮本茂樹】
NF-κBは,DNA損傷ストレスなどにより誘導されるアポトーシスに対する感受性を決定している重要な転写因子である.したがって,DNA損傷による NF-κB活性化のメカニズムを理解することは,新しい抗癌剤の開発に繋がると考えられる.本稿では,IκBキナーゼ複合体の調節サブユニットである NEMOのさまざまな翻訳後修飾の役割に注目しながら,DNA損傷ストレスによるNF-κB活性化に関する最新の知見を紹介したい.
恒常的NF-κB活性化と悪性腫瘍【山岡昇司】
NF-κBは炎症,免疫,分化,腫瘍など広範な生命現象に重要な転写因子であり,その活性化メカニズムについてはこれまで一過性活性化を中心に研究され,細胞膜受容体から転写活性化に至る経路上にある多くの分子が同定されてきた.一方,悪性腫瘍における恒常的NF-κB活性化は治療上大きな障壁となるにもかかわらず,活性化経路上の阻害タンパク質の変異やウイルス性発癌タンパク質による場合を除いて,その原因は謎に包まれている.本稿では,恒常的NF- κB活性化と最近注目を集めている非定型的活性化経路の関係について概説する.
NF-κBによる細胞死抑制のメカニズム【中野裕康/中島章人】
最近のNF-κBによる細胞死抑制の研究から,NF-κBはカスパーゼ経路,活性酸素(ROS)経路,JNK経路をそれぞれ異なった分子の発現誘導を介して抑制し,細胞死を抑制していることが明らかにされた.しかし最新の研究によりNF-κBによるdeath receptorを介する細胞死抑制には,最も中心的な役割を果たすのはc-FLIPLであり,この分子がカスパーゼ経路,ROS経路,JNK経路のすべてを抑制している可能性が示唆された.
炎症と発癌 〜NF-κB活性化の関与【前田 愼】
癌の発生が多くの臓器において慢性炎症に伴い生じるため,炎症と発癌には深い関連性があると考えられてきた.最近になりこの現象にNF-κB活性化が中心的な役割を果たしていることが,いくつかの動物モデルより明らかとなった.しかしながら一方で,その作用の多様性からさまざまな問題も露呈してきた.本稿ではNF-κB活性化の発癌への関与のメカニズムについて論じ,それをターゲットとした分子標的治療の可能性を考える.

トピックス

カレントトピックス
tRNAの逆転移:翻訳は3歩進んで1歩下がる?【庄司信一郎/Kurt Fredrick】
ORCを介した姉妹染色体の対合【島田健士】
Semaphorin3A選択的阻害剤による損傷脊髄の再生および運動機能回復の促進【金子慎二郎/岩波明生/中村雅也/戸山芳昭/岡野栄之】
News & Hot Paper Digest
ショウジョウバエにおけるpiRNA生合成機構
DNA修復とエピジェネシス制御
制御性T細胞のアナジーはレプチンに依存する
核内レセプターのリガンドによる転写活性化はヒストンメチル化により管理される
理系研究者の新しいキャリアとしてのPatent Attorney

連載

クローズアップ実験法
リン酸基アフィニティー電気泳動法を利用した細胞内タンパク質リン酸化反応の解析法【木下英司/木下恵美子/小池 透】
私が名付けた遺伝子
第27回 生命の秩序を司る役者たち【御子柴克彦】
博士号取得とキャリア設計を考える マネジメント力 開発ガイド
第3回 実践(1)戦略的思考法【仙石慎太郎/三浦有紀子】
疾患解明Overview
Helicobacter pylori感染と胃癌【東 健/田中擴址/森田圭紀/吉田 優/久津見 弘】
ラボレポート−独立編−
ノースカロライナ風ラボセットアップ —Duke University Medical Center【安田涼平】

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