ミクログリア(microglia).ミクログリアは,マクロファージと由来を同じくする中枢神経系に存在する免疫細胞であり,脳内環境を監視している.神経の修復を促す成長因子を放出する一方,感染や炎症反応においては抗原提示細胞として働き,さらに死細胞や病原体を認識して補食するという清掃も担当し,これらの過程で炎症反応に関わる多くの細胞傷害性サイトカインや活性酸素を放出するため,神経保護,傷害の両面性を持つグリア細胞である.神経変性疾患では,その活性化が病巣でみられるだけでなく病態を修飾し得ることが判明し,治療標的としても注目されている.