一般的にタンパク質は特定の立体構造をとり,その立体構造を用いて特異的な機能を発揮すると考えられている.しかし近年,分子全体もしくは分子のある領域が特定の立体構造をとらず,ランダムコイル状の不規則な立体構造をとるタンパク質が多数存在することが明らかとなった.前者を天然変性タンパク質,後者を天然変性領域とよび,それぞれ生体内で重要な役割を担っていることがわかっている.