生体内における熱産生システムは,ふるえ熱産生と非ふるえ熱産生に大別される.前者は骨格筋の収縮(いわゆるふるえ)によって熱が作られるのに対し,後者は,それ以外の機構による熱産生を指す.非ふるえ熱産生は褐色脂肪組織などでおこり,ミトコンドリアでエネルギーが生成するときに膜間のプロトン勾配を脱共役することで熱を産生するシステムが主な機構として知られている.